遺品整理は法整備がまだ不十分!核家族化や高齢者の増加で増えている遺品整理の重要性

遺品整理

自身の遺品を生前に整理しておく方も近年増えているなかで、遺族の立場に立った時の遺品整理も変わらず行われています。

今回は遺品整理に関する知っておきたい知識や、遺品整理に関する問題などをご紹介し、失敗しない遺品整理や遺品整理の意味と心の整理の大切さについてもお伝えしていきます。

遺品整理とは?

思い出

そもそも「遺品整理」とはどういう意味を成すのか?漠然とした疑問ですが、お亡くなりになった方の生きてきた軌跡を辿るという大きな意味があります。さらに、その軌跡や遺品の行方を決める事も大切です。

遺品整理を行う時には、「心の整理」も同時に行われるものです。「けじめ」をつける行為と似たものがありますね。故人を偲び形見として手元に保管しておくのも「心の整理」の一つの方法なのです。

アドバイス
遺品整理は遺族にとって時にはつらい感情が押し寄せてくるものです。遺品整理は気持ちの区切りをつける意味も兼ねていますので、心理状態を十分に考慮したうえで進めていくと良いでしょう。

遺品整理に関する問題(トラブル)

遺品

遺品整理は、故人の遺志もそうですが遺族の意向や心情によってその方針が大きく変わってきます。そのため、感情的になりやすく問題が生じやすくなります。

実際にあった問題(トラブル)として、遺族間での意見の食い違いで発生した事例があります。心情が大きく関わってくるデリケートな件ですので食い違いがないよう話合いを重ね、意見のすり合わせをしていく必要があります。

次に起きる問題として業者とのトラブルがあります。遺品整理を専門に行う業者に依頼する方は近年増加傾向にあります。遺族側にも多くの事情があり、多様な状況に柔軟に対応できる専門業者にニーズが高まっています。

しかし一方で依頼者と業者間に発生するトラブルも増加しています。内容としては、「勝手に遺品を処分された」「相場よりも高い金額を請求された」「処分品の買い取りを依頼したところ相場よりも安い金額で査定された」「現場見つかった貴金属や現金などの盗難」などがあります。

ごく一部の悪質な業者によって発生した出来事ですが、「遺品整理」という遺族にとって不慣れな出来事であることを逆手にとって悪事をはたらく業者がいるのも事実です。

アドバイス
遺族にとってデリケートな部分であるため、こうしたトラブルに万が一遭遇してしまっても周囲に相談するなどの対応ができないまま泣き寝入りしてしまうケースがあるので気をつけましょう。

問題(トラブル)を回避するには?

上記にあるトラブルはなぜ発生してしまうのか?遺品整理に関わらずトラブルの原因は意見の食い違いや無知であることが原因で発生します。

意見の食い違いに関しては、綿密な話し合いや段取りをしっかり組み立てることで問題を回避できます。以下では対業者とのトラブルの回避策をケースごとにご紹介します。

ケース①「断りがなく勝手に遺品を処分された」

遺品を整理する際はそこにあるものが本当に必要なものなのか?不必要なものなのか?もしくは判断を迷うものもあるかと思います。

遺族の立場になってみれば分かると思いますが、不幸があった時にしっかりと正しい判断ができるものではないので迷いが生じます。

こんなときに業者の勝手な判断で処分してしまい大切な遺品を失ってしまう事案が発生することがあります。依頼者に断りなく処分してしまうことなど絶対にあってはいけないのですが、品数が多ければ多いほど目が届かず知らないうちに処分されてしまうことがあるのです。

また、時間に限りのある現場の場合だと業者側、作業員の心理として早く終わらせなければいけないと焦りがでてしまいます。その結果依頼者の判断を仰ぐことなく独断で処分して作業の効率を少しでも上げようとしてしまいます。

ケース②「相場よりも高い金額を請求された」

事前に見積もりを依頼し、金額に納得したうえで着手して貰い作業終了後に「時間が超過している」「処分品が多く処理費がかかる」などと言われ予想外にかかった経費として請求されてしまう事案があります。

本来であれば見積もりを下回る、もしくは上回る場合は作業に取り掛かる前に依頼者に確認を促すものです。そうでなければそもそも見積もりの意味がありませんね。

アドバイス
相場を知らずにすべて業者に丸投げしてしまうと、このような事案に遭遇してしまう可能性があります。事前のリサーチや作業の段取りを業者に確認しながら行うのが良いでしょう。

ケース③「処分品の買い取りを依頼したところ、相場よりも安い査定を出された」

近年では遺品整理業者が処分品の買い取りまで一括で行ってくれるところが増えています。また新たに買取業者を探す手間が省けるので、依頼者にとっては便利なサービスと言えます。

しかしここにも落とし穴があることを忘れてはいけません。実際にあったケースですが、価値のある品に対して安い価格で査定し買い叩かれるといった事案があります。専門的な知識のない遺品整理業者が査定とは名ばかりの値踏みをしていき、悪質な場合だと安く査定するだけでなく逆に処分費を要求してくることもあります。

この場合、依頼者も遺品で処分する物品の価値が分からず業者任せにしてしまっていることが原因の一つでもあります。事前に下調べをせずなんの予備知識もなく業者任せにしてしまってはどんな査定をされても何も言えず残念ながら、泣き寝入りすることになってしまいます。

ケース④「遺品整理の作業中に見つかった貴重品が盗難された」

最も悪質なケースであり、完全に犯罪です。

遺品整理を依頼する方の中には現場の状況を把握しておらず、極論で言えば何がどこにあるかなどの情報が分からない状況の方もいます。例えば遠方に住んでいて頻繁に現場に訪れることができない等さまざまな事情を抱えています。

業者による遺品の窃盗は、そんな事情を抱えている依頼者に対しあまりにも不誠実な行為ですね。実はこのケース、発覚せずにいるケースが多い。その理由が上記にある依頼者が現場の把握をしていないことも一因になっているといえます。

以上が実際にあった遺品整理業者とのトラブルのケースです。

もちろんこれらはごく一部の悪質な業者、もしくは作業員の行動です。依頼者の心に真摯に寄り添いきちんと仕事をしてくれる優良な業者さんもたくさんいます。しかし一度このようなトラブルに巻き込まれてしまうと不信感が生まれてしまい、悪い印象を受けざるおえないのが残念に思うところです。

トラブル回避のためにも必要な予備知識や対策をしていきましょう。

失敗しない遺品整理のコツ

亡くなった人

遺品整理をする時期とタイミング

遺品整理を行う時期に関しては遺族の心情を考慮したうえで行いましょう。「喪に服す」という言葉があるように忌中や喪中が明けてから行う方が多いようです。また、例外として相続に関わる手続き上の理由から、遺品整理の場合は早めに行うこともあります。

何よりもまず遺族の心が落ち着いた時、そのタイミングで遺品整理を始めることで冷静な判断もできるでしょう。目安として四十九日法要を終わった頃が良いです。

それまでは心を落ち着ける期間、故人を思い偲ぶ期間として過ごしましょう。

遺品を仕分ける

遺品整理を自ら行う場合は、段取りをくんで効率よく整理できるようにしましょう。遺品をあらかじめジャンル分けしておくとわかりやすく効率よく作業が進められます。

以下は3つに分けた場合の内容になります。あくまで例ですので参考にしてみてください。

要るもの

重要書類
形見として残す物、現金や証券、権利書などの重要書類(相続に関わるものは大事に保管する)、実生活で使える用途のあるもの(家具や家電、衣類など)、写真やアルバム(多くある場合は嵩張ってしまうのでデータ化するとコンパクトに保管が可能)etc…

アドバイス
仕分ける際には、誰の手に渡るのかリストにしておくと間違いがなく確実です。

要らないもの

衣類
使用感があり価値がつかないもの(着古した衣類や寝具)、上記で形見分けした後の物、ゴミ、故障品

アドバイス
ゴミとして処分する際には、分別や処分方法をしっかり調べて行わなければなりませんので注意が必要です。

判断がつかないもの

生活用品
上記以外の物で必要か不必要かの判断がすぐにはつかないものを一旦保留する意味で置いておきましょう。最終的に再度精査してみると判断がつくこともあるので、焦って仕分けるのではなく冷静な判断ができるようにしましょう。

遺品整理の方法

遺族の方が行う

システム手帳

遺族の手によって整理する方法を選ぶ方が多いです。整理するのと同時に形見分けを行ったり、思い出に触れて感慨深い時間になることでしょう。直接遺族が行うことでコストも抑えられるメリットがあります。

注意が必要なのは、遺族間で時間や期間を決めて行うことです。業者を入れる場合と違って期間を区切って行わないとズルズルになってしまい長期間に及んでしまうことがあり、モチベーションを保つことができなくなってしまいます。

アドバイス
ご自身で遺品整理を行う際には、心の整理をつける意味でもしっかり計画を立てて進めるようにしましょう。

プロに依頼する

プロに依頼

遺品整理を専門に行う業者に依頼するケースも近年増えています。

遺族が県外に居る場合やすぐには駆けつけることができない場合に依頼するケースが多いようです。期日や期間が決まっていますが、立ち合う場合でも時間の調整はできます。処分をお願いすることもできるのでゴミの廃棄で手間取ることがありません。

デメリットとしては、作業の内容によりますがコストがかかってしまう点、業者といえど他人が家に出入りするのでそこに抵抗のある方は不向きかもしれません。また、トラブルを回避するために信頼できる業者を探すこと、また場合によってはできるだけ立ち合いをした方が良いかもしれません。

どちらの場合でもそれぞれに良い点と悪い点があります。どちらが遺族にとって良いかを判断して遺品整理を行いましょう。

遺品整理のプロ「遺品整理士」という仕事

「アントキノイノチ」という映画作品でも話題になりました「遺品整理士」。この遺品整理士とは一般社団法人遺品整理士認定協会が運営する資格で、取得後は認定証書が発行されます。同時に協会に加盟、協会指定店として遺品整理業を営めます。

その仕事内容は、遺族の心情と向き合い整理していくと同時にリサイクルや廃棄物の処理の知識をいかし、正しく処理します。また、不用品の回収や処分なども請け負ってくれる業者も居ます。

近年メディアでも多く特集されている遺品整理業界ですが、法整備がまだまだ不十分で悪徳な業者が実際に居るのが現実です。

アドバイス
自身が依頼する際は有資格者であるかどうか、信頼できる業者であるか、過去の実績などを参考に決断していただきたいものです。

遺品整理のコツ

  • 計画性をもって着手する
  • 遺品の分類を行う
  • 処分する物の処分方法は事前にリサーチする
  • 業者に依頼する際は信頼できる業者に依頼する
  • できるだけ現場に立ちあうようにする

以上のことを頭において自分の環境にあった遺品整理の方法を模索していきましょう!

イマ時の遺品整理

上記でも触れているように、近年遺品整理業者の需要が増えてきています。

その背景には、核家族化や高齢者の増加が関係していると言われています。高齢者の孤独死も社会問題になっており、そういった現場に遺品整理業者が携わることも増えてきています。

また、年老いた親の遺品整理を行う子も高齢になっていて遺品整理が難しくなっているケースもあり、そういった依頼者も増えています。今後高齢者がますます増えていくと予想されていますので、それに伴って需要も高まることが予想されます。

まとめ

遺品整理とはそこにあったであろう「命」や「想い」と向き合い、遺族の「心」を考慮し「前に進もうとする気持ち」を尊重する行為です。

自分が遺族の立場になった場合にどう動くべきか?もしくは自身の遺品整理をいかに滞りなくすみやかに終えることができるか?などを少し考えてみてはいかがでしょう。

今回は「遺品整理」についてお話ししました。この記事を読んで少しでも遺品整理について知っていただいて、その重要性やたち切れない悲しみの整理の仕方などを見つけていただければ幸いです。

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