無縁墓地の改葬で注意することは?

縁者がいない、あるいはすでにお墓を管理していく人が全くいなくなってしまった状態のお墓のことを「無縁墓」あるいは「無縁墓地」と呼びます。

墓地というのものは、お墓がある敷地内を個人で管理、または管理費をおさめて寺や管理会社に墓の管理するのが一般的ですね。中には自宅の敷地に墓地がある人もいます。

自宅にある墓地ならば荒れ放題になっても他人に迷惑をかけることはまずないでしょう。しかしながら墓地がある場所によっては定期的に墓地をきれいに清掃していないケースもあります。

枯れ草、ごみなどで荒れ放題では、近隣にあるお墓に迷惑をかけてしまうかもしれません。管理者がいる墓でも、きちんと管理をしていないと迷惑になりがちで問題がおきたりするものです。

無縁墓地の場合は、より荒れている傾向にありますね。今回は、そんな何かとトラブルがおきがちな無縁墓地の問題について紹介しますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

無縁墓地を改葬したい場合、どのような手続きをすればいいのか、またどのような点を注意すればいいのか?記載しています。

無縁墓地の改葬の注意点

管理人がいなくなった墓は、無縁墓地となります。管理するものがいないので、そのまま放置されるケースも増えました。お墓を見ることができていないとみなされた場合は、あとあと合同の墓地へ入ることに…

最初に知っておいてほしいのは、墓の改葬というのは、その墓が無縁墓地だろうが、なかろうが関係なしに、行わなければいけない手続きがあるということです。

無縁墓地だというだけで縁者がいる墓地の改葬とは異なる部分もでてきます。

まずは一般的な墓の埋葬を簡単に説明しましょう。

一般的な墓地の改葬とは

無縁墓地に関係なく、まずは一般的に墓地を改装するとなった時の注意点をみていきましょう。

一般的な墓地の改葬というのは、すでに墓にある遺骨、埋葬されたものなどを他の墓地、場所に引っ越すことをいいます。ただ、移すだけでなく、供養も行うのです。

お墓の改葬が必要になる理由として多いのが、墓が地方にあってお参りに行けないケース。

様々な事情で、今ある墓地では管理できなくなったときにはお墓の改葬を考えなければなりません。しかし、無縁墓地に関係なく勝手に移動してはいけないことになっているので注意が必要です。

勝手にお墓を動かしてしまうことは、墓地、埋葬に関する法律に違反しますのでご理解ください。

法律ができたのは昭和二十三年で、正しくは法律第四十八号「墓地、埋葬等に関する法律」といい、全部で22条と附則からなりたっています。

今回は無縁墓地の改装なので、一般的な墓地の改葬と少し勝手が違うので要チェック。

無縁墓地の改葬の場合はどのようなことに注意をしないといけないのでしょうか?ここからは改葬する人が、どのようなことに注意をしながら手続きを行う必要があるかについてご紹介します。

注意点1:調査

本当に無縁墓地であるのかということを調べないといけません。何かの事情があり縁者がいるのに、墓がほったらかしになっている場合もあります。

病気、事故などによってたまたま長いこと墓を管理できる状況でなくなったのかもしれません。無縁墓地を放置したままでいると、いずれは解体・撤去という運命に…

まずは、改葬をしたい墓が本当に無縁墓地で、親類縁者が全くいないのかどうかを調査します。調査の仕方はいろいろ。墓に所有者がいるのか徹底して調べていきます。

これは、様々なケースがかんがえられるからです。

本来なら、墓を引き継ぐものがいるのにその墓が現在管理者が不在になっていることが伝えられていない場合などもあるかもしれません。戸籍を調べたりと調査は様々です。

墓の埋葬、火葬及び改葬は法律で決まっている事柄が多いので、専門的な知識が必要不可欠。調査が複雑になったときは行政書士などの専門家が必要となることを念頭にいれておきましょう。

主な調査は下記のとおりです。

  • 台帳を調べてみる
  • 近隣にきいてまわる
  • 広告などを出し縁者がいないか募る
  • 墓石に書いている名前から近隣の家を訪ねて確認するなど

この墓調査は、無縁墓地の縁者を探して終了するのではなく、墓の文字を読み取ったり、掘り起こして記録をする必要がでてきます。

スマートフォンでもコンパクトカメラでもよいので、持参し墓の写真及び敷地周辺の写真を記録しておくようにしましょう。

注意点2:官報で改葬広告を告示する

近隣や新聞、立て看板、あるいは墓石に書いてある事柄から親類縁者を探してるけど、なかなか見つからなかいことも…。その場合は、無縁墓地に立て札,官報に載せて知らせるというステップが待っています。

官報に無縁墓地に関して掲載してもらう場合は、お墓がある自治体に無縁墓地など改葬広告の手続きをお願いしましょう。掲載にかかる時間は、自治体ごとにことなりますし、掲載する字数によって料金が異なります。

この際、無縁墓地の縁者が申し出る期間を「一年以内」として設けます。そのことを官報に記載して縁者がいるかどうかの連絡を待ちましょう。

立札も官報と同様に、目立ちわかりやすい場所で告知することで縁者をみつけやすくします。官報と同様に一年間の期限を設けます。

注意点3:改葬許可申請

縁故者を探して、官報、立札で告知をしても縁故者が見つからないときは、次のステップ「改葬許可申請」を行います。

改葬許可申請というのは、自治体ごとに申請書類があります。まずは墓地がある自治体に行って調べてみるのが良いでしょう。

自治体によっては、市役所のHPなどから申請書類を電子で申請したり、ダウンロード後印刷して申請できます。

改葬許可なんていらないと思う人もいるでしょう。しかしながら、前述したように法律で決まってます。第二章埋葬、火葬及び改葬の第五条で市町村の許可証が必要となることが明記されていますので間違えないよう気をつけてください。

一般的に改葬許可に必要な書類は、墓の中に入っている遺骨を証明する「埋蔵証明書」、今まで埋葬してあった遺骨を受け入れてくれる側の「受け入れ証明書」が必要になってきます。

埋葬証明書は、自治体によって金額もことなりますが手数料は300円から1500円前後と幅が広いです。ここで注意が必要なのが、墓に入っている遺骨が一体か、複数体なのか?

遺骨分の別の用紙が必要となる場合があるからです。

役所や自治体のHPにもよりますが、最近の詳細ページは大変詳しく申請書類についての説明が記載されています。サイトのある内容をじっくり読んでから申請書類に記入していくとよいでしょう。

もちろん、わからない部分が出てきたときは相談しましょう。職員が丁寧に説明してくれます。不安な人は、職員と一緒に許可書を記入するとよいでしょう。

改葬許可書は、現在お墓がある自治体から即日交付してもらえます。

注意点4:撤去

改葬許可が下りたら、無縁墓地の撤去、解体です。改葬許可には有効期限というものがありませんので、ここまできたらあとは自分のペースでゆっくりと改葬をおこなうだけになります。

無縁墓地の撤去するお金などは、残念ながら次に墓を建てて利用したい方がもつことに…。つまり新規に埋葬する遺骨がある人の費用負担です。

解体後の墓石は、材料として道路などに使われるでしょう。

埋葬されていた遺骨ももちろん、新規の埋葬者にとっては縁もゆかりも何もない人の遺骨ですので、無縁墓地の人遺骨が集まる合同墓地へと再埋葬されます。

無縁墓地の改葬についてはここでおわります。

注意点のおさらい

勝手に墓地を改葬できると考えている人も多いかもしれません。法律があるということをしっかり頭にいれて、手続きをしましょう。

下記が無縁墓地を改葬するときの注意しないといけないことのおさらいになります。

  1. 親類縁者を探す
  2. 法律できまっているので行政書士などが必要になるケースもある
  3. 市町村で官報で告知
  4. 改葬許可をとる

一般の墓を改葬するときは、撤去の後に引っ越し先の自治体から遺骨をうけいれてもらうための「受け入れ許可」証なるものが必要です。

これは、改葬の時とちがい一般的に無料で市町村が発行するもの。

いずれにしろ墓の改葬に関しては、自治体への申請書類が必要です。時と場合によっては縁者、継承者を探すのに大変時間がかかるということをしっかりおぼえておきましょう。

墓を無縁墓地にしないためにも

沖縄の風習に基づくお墓での行事

無縁墓地は、近年問題になりつつあります。

亡くなった後に身寄りのない人の場合は、今まで管理してきた墓が無縁墓地になる可能性がとてもおおきいです。

新しく利用したいとおもっていた土地に無縁墓地があった場合、面倒ですが、行政で様々な手続きをする必要があります。

管理していた墓が無縁墓地になる可能性もあります。継承者がいない場合は、次の人に迷惑をかけることも考えて永代供養についても詳しく調べてみるのもいいでしょう。

無縁墓地の改葬を行い、墓を守っていくということを考えてみるのもいいです。

現在は終活といい、自分の人生のおわりをいろいろと生前から考えておくことがブームになっています。

手続きが面倒なことだからこそ、早めに自治体や終活サービスを行っている葬儀屋さんなどのセミナーなどに参加し、正しい知識をいれておくことが大切。終活サービスや自治体を利用して正しく改葬を行うために情報を集めておくのもいいでしょう。

ぜひ、今回の注意点を参考に間違った無縁墓地の改葬をしないようにしましょう。

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