余命宣告を受けた際に終活としてやるべき準備を業界関係者が解説

余命宣告を受けたら残りの人生の過ごし方や、終活としてすべきことなどで悩むことが多いでしょう。終活をする際には高齢者本人の意向を尊重することが大切であり、正しい情報収集と家族間での慎重な判断が求められます。
そこで今回は、余命宣言を受けた際に終活としてやるべきことなどを詳しく解説します。

目次 [非表示]

余命宣告とは?

余命と寿命の違い

余命の期間を決定する方法

余命宣告と終活の関係性

家族が余命宣告を聞いた場合は高齢者本人へ伝えるべきか?

高齢者本人に伝える場合の注意点

高齢者本人に伝えない場合の注意点

余命宣告を受けた後に行うべき終活について

1:エンディングノートを準備する

2:葬儀社の選定

3:財産管理についての準備

4:遺言書の作成

余命宣告を受けていて終活を考えている方へ

監修

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余命宣告とは?

人は高齢になると病気になる可能性が高くなり、病状の進行具合によっては余命宣告を受けることもあるでしょう。本来は余命宣告は隠すものという認識でしたが、現在は患者の知る権利や情報開示の考え方が広がり、余命宣告を受けることは身近になりつつもあります。
ここでは、そもそも余命とは何か、どのように余命は決定するのか、さらに余命宣告と終活の関係性についてを紹介します。

余命と寿命の違い

余命とは、これからの人生で患者が生存できる期間をいい、余命宣告とは、「医師が患者に対して、あとどのくらい生きることができるのかを伝えること」です。余命は、医師自らの経験や医療データ、専門知識など総合的な情報に基づいて判断されることが通例です。余命は医師の判断にゆだねられ、医師によってその期間が変わるため、おおむねの期間といえるでしょう。
一方、寿命とは、一般的に平均寿命のことを指し「0歳から数えた平均余命」をいいます。寿命には平均寿命と健康寿命があり、厚生労働省の情報によると、令和元年の我が国の平均寿命は、男性が81.41歳、女性は87.45歳と報告があります。
また、健康寿命とは、健康な状態で生活できる期間をいい、男性は72.68歳、女性は75.38歳と報告されています。

余命の期間を決定する方法

余命を決めるための厳格な基準はありません。余命は、医師として自らの知識や経験、患者の病気の進捗度などを考慮して、総合的に判断します。そのため、余命を見るための正確な方法がないことから、正確な答えを出す方法はありません。実際に生存した期間と余命に大きな相違が生じることもあります。しかし、医師は根拠を持って答えを出しているため、基本的に余命は正しい答えであると見るのが妥当です。
また、余命宣告は治療の効果が少なくなり、治療の方法が他にない状況で行うことが多いようです。患者や家族にとっては、人生の終末を告げる非常に大切な宣告のため、医師は慎重に余命を決定します。

余命宣告と終活の関係性

高齢者本人や家族が余命宣告を受けることがあれば、亡くなるタイミングがある程度予想されてしまうため、ショックが大きく、本人や家族は冷静な判断が難しくなってしまうかもしれません。ですが、そのような状況でも、終焉や、今後の治療、家族への配慮などを考えて、本人、家族共に終活を進めることになるでしょう。
余命が限られている中で終活を行なうことで、本人の希望する医療を受けたり、亡くなった後の金銭問題を未然に防ぐことや、家族への負担を軽減することができるなど、多くの利点があります。

家族が余命宣告を聞いた場合は高齢者本人へ伝えるべきか?

余命宣告は本人だけが受ける場合、家族だけが受ける場合、家族と本人が同時に受ける場合があり、医療機関によっては入院や検査などの際に、余命宣告を受ける相手を確認するケースもあります。
余命宣告を誰が受けるかは、本人の希望を優先することが大切です。いずれにしても、家族は最善の対応策をとりましょう。

高齢者本人に伝える場合の注意点

余命宣告を本人に行う場合、医師から伝えられた内容を正確に伝えることが大切です。病状について本人の認識が異なってしまうと、治療や生活に悪い影響を与えてしまう恐れがあります。そのため、本人を傷つけないように言葉を選びながらも、正しい内容を伝える必要があります。
また、延命治療については本人の希望を尊重しつつ、メリットとデメリットを共有して話し合うことが大切です。後悔しない選択ができるよう本人と家族で決めましょう。

高齢者本人に伝えない場合の注意点

余命宣告を本人に伝えない場合、余命が明らかになったことを本人に気づかれないよう、家族全員による配慮が必要です。突然の余命宣告は、本人には気づかれにくいものですが、治療が長期にわたり病状が優れない状況では、本人が病状に対して敏感になることが考えられます。
最近会っていない親族が見舞いに来た、病室のすぐ外の廊下で家族同士、また医師と小声で話しをしている所を見られてしまうと、本人はとても不安になる可能性があります。
また、病院の食堂や待合室で、神妙な顔をして家族の話合いをしていたところ、本人とばったり出くわす可能性もあります。本人が病院内で移動できる状況であれば、病院内で深刻な話しをすることは注意が必要です。

余命宣告を受けた後に行うべき終活について

余命宣告を受けた後、本人の病状が急変する可能性もあるでしょう。そのため、家族はなるべく早い段階から終活の準備を行いましょう。そして、本人の意向を十分考慮した終活をすることが大切です。また、本人が動けるうちに家族と一緒に終活に取り組むことが理想的な展開です。ここでは、余命宣言を受けた本人のために優先するべき終活の内容を紹介します。

1:エンディングノートを準備する

余命宣告後の終活では、エンディングノートを高齢者本人が可能な範囲で書くことからおすすめします。
残される家族のために、本人の「お金に関連する情報」や、「葬儀に関して本人が希望していること」、「家族に対する想い」など、家族へ伝えたいことをノートにまとめておくことで、本人の意思を文字で残すことができます。
また、エンディングノートは自由な形式で普通の大学ノートに書くことができるため、手軽にできる終活の作業になります。

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2:葬儀社の選定

高齢者本人が亡くなると、すぐに葬儀の準備をしなければいけません。葬儀の準備は想像以上に大変なため、生前のうちに葬儀社を選定しましょう。葬儀社の選定は本人に希望を聞き、最適な葬儀社を探すのが理想です。ただ、余命宣告を受けている本人へ葬儀の話をすることが難しい場合は、地元で評判が高い葬儀社を家族で調べて探すのがおすすめです。

⇒葬儀の準備に必要なことや流れについて業界関係者が解説

3:財産管理についての準備

終活で大切なことに、高齢者本人の財産管理があります。財産については、金融機関、有価証券、不動産などがあります。
お金に関連する情報は重要度が高いため、生前のうちにログイン情報や、必要書類の保管場所などの必要情報をエンディングノートに記録しておきましょう。自身の死後に遺族がお金に関する手続きをする際に、円滑に動くことができるのでおすすめです。
また、本人に負の財産がないか事前に確認することも必要です。もし、本人に負債があった場合、対応策は生前のうちに話し合って解決しましょう。

4:遺言書の作成

エンディングノートには法的効力がないため、相続関係などの法的効力が必要なものに関しては、遺言書が必要となります。
相続争いを避けるため、相続する財産があれば遺言書を作成します。遺言書には法律の規定があり、本人の自筆による自筆証書遺言、公証人の作成する公正証書遺言、本人が執筆し公証役場で手続きをする秘密証書遺言の3つがあります。
遺言書は遺族に渡すこともありますが、基本的には自宅で保管していることが多いです。また、エンディングノートに遺言書の保管場所を記載しておくことで、将来遺族が遺言者の意思を必要とした場合、簡単に探すことができます。

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余命宣告を受けていて終活を考えている方へ

今回は家族が余命宣告を聞いた場合の対応方法や、余命宣告を受けた後に行うべき終活の内容ついて解説しました。
余命宣告はショッキングな出来事であり、動揺することも多いでしょう。また、病状がいつ急変するか分からず、本人、家族共に不安な状況でもあります。その中で、高齢者本人の終焉を無事にむかえ、遺族間のトラブルを避けるためにも、余命宣告を受けた後の終活はとても大切です。
余命宣告を受けて辛い方に対して一般社団法人 終活協議会は、寄り添いながら、終活について徹底サポートします。
終活サービスを始めて約20年、20,000人以上のお客様の終活をサポートした実績があり、多くのお客様からご好評の声をいただいております。全国16ヶ所の拠点でサービスを展開し、各地に終活サービスにたずさわる専門家とのネットワークを構築しています。弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士など、約1,500名の専門家が登録しているため、お住まいの地域で必要に応じた専門家を紹介することが可能です。

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監修

竹内義彦一般社団法人 終活協議会 理事1969年生まれ、大阪出身。
2012年にテレビで放送された特集番組を見て、興味本位で終活をスタート。終活に必要な知識やお役立ち情報を終活専門ブログで発信するが、全国から寄せられる相談の対応に個人での限界を感じ、自分以外にも終活の専門家(終活スペシャリスト)を増やすことを決意。現在は、終活ガイドという資格を通じて、終活スペシャリストを育成すると同時に、終活ガイドの皆さんが活動する基盤づくりを全国展開中。著書に「終活スペシャリストになろう」がある。

     
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