12月7日:クリスマスツリーの日

クリスマスツリーの由来や意味

12月の風物詩でもあるクリスマスツリー。一般的には、モミや松、トウヒなど、その土地その土地で生育している常緑針葉樹にさまざまな飾りつけをして作られます。
そんなクリスマスツリーの由来はどのようなものなのでしょうか。

クリスマスツリーの由来

「キリストのミサ」という意味を持つクリスマス(Christmas)ですが、実はクリスマスツリー自体はキリスト教由来ではないようです。
諸説ありますが、北ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」から系譜を継ぐものではないかと言われています。ゲルマン民族は「ユール」の際、樫の木を「永遠の象徴」として祭祀に用い、崇める対象としていました。この「ユール」はクリスマスの起源ではないかと言われており、そのため現在でもスウェーデンなど北欧諸国ではクリスマスを「ユール」と呼ぶ風習が残っています。

クリスマスツリーの持つ意味

常緑樹が使われるツリーは、古代から続く「永遠の象徴」を表現した存在です。キリスト教では、これに加えて「神の永遠の愛や神が与える生命を象徴する」といった意味が込められます。ツリーの頂上部に飾る星はイエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星を表しています。
また、クリスマスツリーは旧約聖書の『創世記』に登場する「知恵の樹」の象徴であるという説もあります。蛇にそそのかされたアダムとイブが「禁断の果実」を口にし、その結果神によって楽園を追放されてしまうという話が有名ですが、その「禁断の果実」がなっていた木が「知恵の樹」です。ツリーによく飾られる球形のオーナメントは、アダムとイブの食べた「禁断の果実」を象徴しているといわれています。

現代のクリスマスツリーはどのように生まれたのか

現在のようにツリーにクリスマスの装飾を施すようになったのは、ルネサンス期にあたる15世紀ドイツからという説が一般的です。現在のドイツ南部に位置するフライブルグで、救貧院に飾られたモミの木が最初のクリスマスツリーではないかと言われています。町のパン職人がフルーツやナッツ、焼き菓子をその木に飾り、人々の心を楽しませました。
その後16世紀に入り、宗教改革で高名なプロテスタントのマルティン・ルターが、ある星の夜に常緑樹の枝の間から見える星空の美しさに感銘を受け、彼の指揮のもと装飾を施したツリーを教会に設置したという説もあります。ルターは星を表現するためにロウソクをデコレーションに用い、このことがツリーをきらきらと飾るイルミネーションの由来となったようです。
このツリーを飾りつける習慣は、さらにアメリカやイギリスへと広まっていき、やがてクリスマスの風物詩として世界に定着していきました。

日本でのクリスマスツリーの始まり

日本で最初にクリスマスツリーが飾られたのは1860年、プロイセン王国公館です。当時の公使であったオイルレンブルクは、天井ほどもある大きな木を持ち込み、華やかなツリーを楽しんだと言われています。
その後、横浜のスーパーマーケットの明治屋が、1886年12月7日、横浜に日本初のクリスマスツリーを飾りました。そのため毎年12月7日は「クリスマスツリーの日」に制定されています。
明治屋は開業の地である横浜から1900年に東京・銀座に店舗を移設し、それからも毎年クリスマスの飾りつけを行いました。『明治屋のクリスマス飾り灯ともりて煌やか(きらびやか)なり粉雪降り出づ』とは、1912年に発表された歌人・木下利玄の短歌。ここからもわかるように、明治屋のイルミネーションをきっかけにクリスマスの認知度が高まり、徐々に民間にも浸透していきました。

クリスマスツリーを飾る時期

伝統的なキリスト教では、12月25日の4週前の日曜日から12月24日(クリスマスイブ)までを、キリストが降臨するまでの準備期間である「待降節(アドベント)期間」としており、その始まりの日曜日にクリスマスツリーの飾り付けを始める家庭が多いようです。ツリーは、年をまたいで1月6日の公現祭(十二夜)まで飾られます。公現祭とは「東方の三博士」がイエス・キリストの誕生を祝福した日で、キリスト教における大切な日です。

クリスマスの飾りに込められた意味

星や天使、イルミネーション、丸いオーナメントなど、ツリーを彩る飾りにもさまざまな意味があります。

クリスマスカラー

基本的にツリーを始めとしたクリスマスの飾りつけは、クリスマスカラーと呼ばれる赤・白・緑の3色が基調となっており、3色それぞれに意味があります。
赤は十字架にかけられたイエス・キリストが流した血、あるいは神の愛の象徴を表します。白は雪・純潔、緑は、常緑樹に代表される永遠の命や力強い生命力を表現しています。

ツリーの天頂に飾る星は、イエス・キリストが生まれたユダヤ・ベツレヘムの空に輝き、東方の三博士にその誕生を知らせたとされる「ベツレヘムの星」を表していると言われます。

天使
クリスマスツリーに飾られる天使のオーナメントは、聖母マリアがイエス・キリストを身ごもった際、受胎告知した天使「ガブリエル」を象徴しています。

イルミネーション
前述のように、ツリーに星を表すろうそくを最初に灯したのは宗教家のマルティン・ルターです。ろうそくを使っていた時代は、火事の心配も多かったため、消火用の水をいつもツリーの周りに置いていたそうです。
その後、ろうそくの代わりに広まったのが、火事の心配の少ない電気を使ったイルミネーション。実は発明家のトーマス・エジソンが1880年に白熱球を開発した折、プロモーションの一環として電飾をツリーに付けたのがその始まりだったと言われています。
電気の発明と普及に伴い、クリスマスツリーの美しさもまた進歩していったと言えるでしょう。

オーナメントボール
クリスマスツリーを飾る色とりどりの丸いオーナメントボール。これはアダムとイブが口にしてしまった禁断の果実を象徴すると言われています。

キャンディケイン
ステッキの形をした硬いキャンディは、正式名称はキャンディケイン(candy cane)です。caneは杖という意味です。
ゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」では樫の木に食物を捧げていたため、その名残でクリスマスツリーにはいろいろなお菓子が飾り付けられます。そこから、木にひっかけやすい形のキャンディケインが生まれたのではないかと言われています。
一方で、キャンディの硬さが堅牢な信仰心を表す、逆さまから見るとJの形なのでイエスを表す「Jesus(ジーザス)」をかたどっている、羊飼いの杖をモチーフにしたなどさまざまな説があります。
キャンディケインといえばカラフルなストライプ模様が特徴ですが、これはイエス・キリストが十字架で流した血を表していると言われています。かつては真っ白なキャンディが使用されていたようです。

ジンジャーブレッドマン(ジンジャークッキー)
人型のジンジャークッキーも、ツリーに飾られるオーナメントとして有名です。
生姜が入ったお菓子は身体を温め、病気予防に効果があるとされてきました。ジンジャーブレッドマンは、その考え方を普及させたイギリスのヘンリー8世をかたどったものではないかと言われています。

クリスマスリースやヒイラギ、松ぼっくり
ミニサイズのクリスマスリースは、ツリーに飾って楽しむこともできます。輪の形をしているリースは、終わりも始まりもない永遠のシンボルとされてきました。ヨーロッパでは幸運のお守りとしても信じられており、神の永遠性と結びついたと言われています。ヒイラギで作られたリースは、イエス・キリストが磔となった際、頭に乗せていたいばらの冠を表現しています。
また、リースの土台に使われるヒイラギや松ぼっくりは、豊穣や豊作への祈願が込められています。クリスマスのもととなった「ユール」は冬至の農耕儀式も兼ねていたため、その風習が受け継がれたのではないかと言われています。

靴下
クリスマスツリーにぶら下げる靴下は、サンタクロースのモデルである聖ニコラウスの逸話に由来したオーナメントです。
4世紀、イタリア半島のミラノに住んでいた聖ニコラウスは、貧しい一家を助けるため、真夜中に窓から金貨を投げ入れました。その金貨が暖炉に吊るされていた靴下に入ったことが、いつしか「クリスマスの夜に靴下を置いておくと、サンタクロースがプレゼントを入れてくれる」という伝承となり、ツリーにも装飾として用いられるようになったのです。

ベル
キリスト教にとって、ベルの音は喜ばしさの象徴とされています。イエス・キリストの誕生を告げたのがベルであったためです。そのため降誕祭にあたるクリスマスに、ベルのオーナメントは欠かせません。

綿
ツリーに降り積もる雪を表現するために、綿などを使って白を取り入れます。

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