このコーナーでは何度も取り上げていますが、終活に取り組む人は年々増えているようで、少子高齢化などの社会的背景も踏まえて、すでに定着した感があります。
終活は、エンディングノートや生前整理、さらに墓活や遺言状まで、さまざまな要素を含みますが、そのひとつに終活ツアーというものがあります。
これがどういうものなのか興味を持ったので調べてみました。
ただ、コロナ禍にある現状では、終活ツアーも停滞気味で、アフターコロナを見すえて参考にしていただければと思います。
目次
日帰りバスツアーで料金1万円くらい
終活ツアーは、日帰りのバスツアーという形態が多く、添乗員も同行するようです。その場合の料金は、ランチ込みで1万円くらいというのが一般的。
出発後の車内では専門の講師によるセミナーが開催されます。それを聞きながら目的地に向かうというパターンですね。時間効率もよさそうです。
入門レベルのセミナーなら、エンディングノートの書き方などといった初歩的なことから教えてくれます。また、司法書士などの専門家による相続アドバイスを組み込んだプランもあります。
格式の高いお寺で僧侶の法話に耳を傾ける
お寺訪問を組み込んでプランが多いようです。それも、すぐ近所というよりも、総本山的な由緒あるお寺が多いようです。
たとえば関西地方でいえば比叡山延暦寺、奈良東大寺、京都の歴史あるお寺など。せっかくなのでというわけか、観光的な要素も織り込んでいるようです。
とはいっても、お寺に2~3時間滞在して、僧侶のお話をじっくり聞くというメニューもありますので、遊びではありません。
個人ではなかなかできない海洋散骨体験
海洋散骨クルーズというのもあります。お墓の継承者がいない、管理が大変、無縁墓化が心配などの状況もあって、海への散骨を願う人もいて、そうした海洋散骨に興味のある人にとっては、シミュレーションできるのでいい企画だと思われます。
海上では遺灰に見立てた塩を花びらといっしょに撒いたりなど、クルーズというよりも体験的な内容になっているプランもあります。
個人で漁船などをチャーターして海に出る手もありますが、コスト面も含めてけっこう大変でしょうから、ツアーで行ければ助かりますね。東京なら東京湾が舞台になるようです。
ただ、ツアーによってはこのメニューはオプション扱いで別料金になるケースもあるようです。それにしても、死後は自然に還りたいという希望を持つ人には、生前における貴重な体験になると思われます。
お墓を見学する
墓地や霊園、納骨堂を訪れるメニューもあります。自分の入るお墓がまだ用意できていないとか、永代供養にしてもらいたいなどといった場合には特に役立つメニューです。
夫婦もしくは子どもと同行すれば、なお具体的なイメージができてくるでしょう。
生きたまま棺に入る体験
おもしろいといったら語弊があるかも知れませんが、ふだんなかなか体験できないメニューを含んだ終活ツアーもあります。それが入棺体験というもの。もちろん、棺に入るものです。
真っ暗闇の中で3分ほど横になるそうですが、外から弔辞を読む声が聞こえてくるという演出もあります。しかも、その弔辞を自分で書いたりするそうで、ほかに現役の僧侶が読経してくれたりもします。
自分の葬儀のシーンがなかなかのリアリティを持ってイメージできますね。
メニューによっては複数のグレード違いの棺が用意されていて、横たわり心地を比べたりもできるといいます。それも参考に、生きているうちに棺まで用意できれば、これはもう究極の終活といっていいと思います。
備えあれば憂いなしの遺影撮影会
さらに、プロカメラマンによる生前遺影撮影会というサービスもあります。非常にクオリティの高い写真を撮ってくれるでしょうし、これがあれば、亡くなってから遺族があわてて遺影用写真を探すこともありません。
とても実際的なメニューですね。
沖縄舞台の東京発ツアー
沖縄でもコロナ前には終活ツアーが実施されていました。そのひとつは東京・羽田を出発地とする2泊3日のツアーです。
海上散骨体験や永代供養墓の見学などが実施され、美しい海でのクルーズや霊園からの絶景はすばらしく、それだけでもかなり楽しめたようです。
美ら海水族館などの観光地巡りがセットになっていて、沖縄観光も満喫できたようです。
まとめ
ちょっとした旅行を楽しみながら、アクティブに終活の知識が深められるツアーを旅行代理店などが提供しています。
日帰りバスツアーから羽田発の沖縄ツアーまで、いろいろなプランがありますが、車内でのセミナーから霊園見学、海洋散骨クルーズ、入棺体験、遺影撮影会など非常に実際的な内容。
終活に興味を持つ人が増える中、コロナ明けには、また盛んになりそうです。