「リゾート葬って、なに?」~縁もゆかりもない土地にお墓を造る話~!

誰しも一度くらいは、リゾート婚というものを聞いたことがある人は多いはずです。

新型コロナウイルスの蔓延前は、国内はもちろん外国からも、結婚式を挙げるために沖縄を訪れるカップルが引きも切らない状況でした。

一方でリゾート葬というものも最近増えているそうです。もちろん結婚式ではなく、リゾート地にお墓を設けるものです。今回はこのリゾート葬について調べてみました。

東京に住んでいるが沖縄にお墓がほしい

お墓業界関係者の話によると、ここ2~3年、「東京に住んでいるけど、沖縄にお墓がほしい」とか「大阪に住んでいるけど北海道にお墓を造りたい」などといった問い合わせが増えているそうです。

実際に沖縄や北海道にお墓を造る人もいて、これがリゾート葬と名付けられたそうです。つまり、お墓参りといっしょに観光を楽しんだり、癒しの時間を過ごしたりしようというのがリゾート葬なのですね。

従来の流れとは逆の発想

都市部への人口流入、高齢化、さらにはこのところのコロナ禍もあって、お墓参りも大変になってきています。

そんな状況の中で遠いところにある先祖代々のお墓を居住地の近くに移そうという流れもあります。

しかし、リゾート葬の発想は、あえて遠いところにお墓を設けようという話でもあり、住まいの近くにお墓を引っ越そうという流れとは逆の発想ともいえます。

お墓参りといっしょに温泉やゴルフなども

お墓参りといっしょにリゾートステイを楽しむので、たとえばお盆休みに出かけた先で両方ができるという意味では効率的ともいえるでしょう。

沖縄でなくても、たとえば温泉でゆったりお湯につかれるとか、ゴルフが楽しめるとか、おいしいものが食べられるとか、そんなことも動機になるかもしれません。

実際、園内に露天風呂を備えた霊園があるとか。また、プライベートビーチのある霊園も存在するそうです。そんなところにお墓を買えば本当に一石二鳥となります。

先祖代々のお墓が故郷にある人も多いはずですが、リゾート葬には、こうした縁(またはしがらみ)という一種の束縛を断ち切ろうという考え方もうかがえますから、現代的な発想ともいえます。

賛否はあるだろうけれど・・・

もちろん賛否はあるでしょう。地縁を大切にする人ならば「お墓を移すなんてとんでもない、それも住まいの近くならともかく、縁もゆかりもない場所にお墓を建てて、遊びに行くついでにお参りしようという考えはご先祖様への冒涜だ」などとおっしゃるかもしれません。

一方で、たとえば新婚旅行で行った土地、子どもを連れて遊びに行った場所など、一生の思い出の土地にお墓があればいいなと考えるのは、決して悪いことではないはずです。

特に、お墓の引っ越しを伴わずに新しく建立するケースで、場所の選定において自由度が高いならリゾート葬が実現しやすいでしょう。

お墓参りのモチベーションは高くなる

リゾート葬のメリットとして、お墓参りのモチベーションが上がるというのがあります。

お墓参りというと、なんだか義務のように感じる人もいるでしょう。遠方であれば時間もお金もかかるし、体力的にきつかったりもします。重い腰が上がらないこともあるでしょう。

しかし、旅行も兼ねたリゾート葬なら腰も軽くなるはずです。家族で遊びの計画も立てたりして盛り上がるかもしれません。年に一回ぐらいのお墓参りなら行く気も起りやすいのではないでしょうか。

両墓制という考え方も

以前このコーナーで両墓制というのを紹介したことがあります。遺体を埋葬するためのお墓と、お参りするためのお墓のふたつを造る習慣が江戸時代にあったという話でした。

それとまったく同じではありませんが、お墓をふたつにして分骨する手も考えられます。

先祖代々のお墓はそのままに、もうひとつをリゾート地に建立するとか、新しいお墓を東京と沖縄に造り、自分が死んだら分骨して両方に入れてもらうなどです。

この方法なら、子や孫たちもおっくうがらずにお参りに来てくれるかもしれません。お彼岸には東京のお墓に参り、ゴールデンウイークには沖縄のお墓でシーミーなんてしたら、それはテンションも上がるのではないでしょうか。

まとめ

リゾート地にお墓を持つのがリゾート葬です。居住地から離れた沖縄や北海道、あるいは温泉地などにお墓を引っ越したり、新たに建立するもので、お墓に関する近年のトレンドになりつつあるそうです。

思い出の地でお墓参りができたり、観光やリゾートステイを兼ねたりもできます。お墓を引っ越す墓じまいの一形態であったり、もともと地縁のない場所に新たに建立するケースだったりします。

また、将来的にはふたつのお墓を設けるという、昔の両墓制のようなスタイルに発展するかもしれません。

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