先日、このコーナーで、シーミー(清明祭)にちなんで墓石をきれいにする方法について紹介しました。
しかし、現在のコロナ禍のもとで、そもそもシーミーができるのか自体が問題です。どうするのか、時期を前に頭を痛めている方も多いでしょう。
今年はやめるのか、あるいはなんらかの対策をして開催するのか。考えるヒントになるように調べてみましたので、今回はシーミーをどうするのかについて考えてみたいと思います。
★沖縄の伝説・風習シリーズについてのご理解ご協力へのお願いをコラムの最後に書かせて頂いていますので読んで頂ければ幸いです。
※ふう しゅう 【風習】 その地域社会で、人々が長年に渡って伝えててきた生活や行事の独特のならわし。しきたり 風習・習慣
目次
2021年に県や医師会が対策要請
沖縄で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されたのは2020年の2月14日。したがってその2ヵ月後くらいに、この年のシーミーシーズンを迎えました。
それを控えて、沖縄県や県医師会がいくつかの対策法を呼びかけました。それを参考に、2021年のシーミーにおけるコロナ感染防止対策を考えてみます。
東京、大阪など感染者数の多い地域から帰省する親族の参加を控える
2020年の後半になって、政府が経済対策として行ったGo Toキャンペーン、特にGo Toトラベルが感染者の増加につながったのではないかという話があります。
もしそうなら、本土から沖縄に来る人が増えれば増えるほど、感染が広がる可能性が大きくなることになります。
沖縄出身者が働いているという点でいえば、東京、大阪などの大都市が筆頭であり、感染者も追い地域です。そうした地域から帰省した人の参加はやめてくれと呼びかけられています。
しかし、もしシーミーが目的で帰省した人が参加できないとしたら、帰ってきた意味がありません。なので、実質的にはシーミーのための帰省はするな、といっているのと同じです。
発熱・体調が悪い人は参加しない
まったくもって当然のことです。熱があったり、セキをしていたりしたら参加すべきではありません。
というより、コロナのない、平時であっても体調の悪い人がシーミーに参加するのはやめた方がいいですね。
できるだけ規模を縮小し、代表者だけのお祈りを行う。また時間を短縮する
感染のリスクを減らすために参加者を少なくし、時間も短くするというのは有効かと思います。代表者だけお祈りをするというのもわかります。
しかし、これを突き詰めていくと、2~3人でウートートーし、お線香が消えたら帰る、みたいな話になり、これはもうシーミーとはいえず、ただのお墓参りかも知れません。親族その他が集まってお祈りを捧げ、ごちそうを囲んで歓談するのがシーミーなのですから。
食べ物等については、持ち帰りなど工夫する
たくさんの人々が飲食を共にすれば感染のリスクが高まるので、これもやむを得ないでしょう。ごちそうは、墓前に供えるだけにし、現場での会食はやめようということです。
ウサンデーはテイクアウト、というわけですね。ご先祖様はちょっとさびしいでしょうけど。
家から墓に向かって祈るなどの方法も検討する
これはもう究極です。シーミーはやるな、といっているのと同じですから。
お墓に向かってといっていますが、仏壇のある家ならトートーメーに向かってウートートーするのもありかもしれません。
ほかにもいろいろ対策が
以上は、県や医師会の呼びかけですが、ほかにもいろいろ対策法があると思います。
まずはマスク。当初は海外を中心にマスクの有効性に疑問を呈する説もありましたが、パンデミックから1年も経つと、マスクが感染防止に効果があることは明確になっています。
シーミーは屋外で行われるので、屋内に比べると感染リスクは低いと思われますが、マスクをするに越したことはありません。
一方、効果がもっとも期待されるのはワクチン。2021年2月から医療従事者に接種が開始され、高齢者へは4月に始まることになっているそうです。
ただ、このスケジュールではシーミーには間に合いそうにありません。ワクチン接種は2回必要という話もありますから。
そう考えると、シーミーが普通にできるようになるのは、早くても2022年になりそうです。したがって2021年はお墓の掃除をメインにして、墓前での宴会などは避けた方が良さそうですね。万一感染者を出したりしたら、ご先祖様を悲しませることになりかねません。
まとめ
2020年に引きつづき、2021年もシーミーではコロナの感染防止対策が必要です。
県や医師会からは、都市部からの帰省者の参加を避けたり、規模を縮小したり、ごちそうを持ち帰ったりすることが推奨されています。
また、はっきりとはいっていませんが、開催そのものをやめるという選択肢も示されています。
開催する場合、屋外とはいえマスクの装着は必須です。ワクチンの接種も始まりますが、今年のシーミーには間に合わないでしょう。
どんな形で行うにせよ、感染者を出してご先祖様を悲しませることのないように。なんのためのシーミーだか、わからなくなってしまいますから。
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みくにの会社も6年目に入り、毎日地道に稚拙なブログを書かせて頂いています。
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