「葬儀や法要が簡素化されている?」~コロナで変わるお葬式の話~

今年2020年はいわゆるユンヂチの年に当たり、お墓の建立や建て替えに適した年とされます。そこでお墓事だけでなく、仏壇の新調や位牌の作り替えなどに関しても、いわばチャンスでもあります。

ところがせっかくのユンヂチなのに、新型コロナウィルスの影響でお墓事どころか、葬儀すらまともにできないという状況が出てきました。しかも、コロナの影響は短期間では済まず、私たちの生活スタイルそのものを変えざるを得ない状態になっています。

葬儀を巡って、実際にどんなことが起きているのか、今回はそのあたりを見てみます。

親族が火葬に立ち会えない?

世界を見回してみると、コロナウィルスによる死者があまりに多く、その対応に手がまわらないのが現状です。

アメリカでは、感染を怖れたり、経済的理由で埋葬すらできないために、引き取り手がなくなった遺体が共同墓地にあふれているといった報道がありました。

ブラジルでは、政府のコロナ対策の手ぬるさに業を煮やした人々が、きれいなビーチに100基ものお墓を造って、経済優先政策を採る政府を批判しました。

日本ではこれほどの状況までには至っていませんが、影響は小さくありません。

たとえばコロナで亡くなった志村けんさんは、あれほどの国民的人気者だったにもかかわらず、葬儀は近親者のみでひっそりと営まれました。それだけでなく、親族は病院で看取ることができない、遺体の顔を見ることができない、お骨を拾うことができないなど、ないないづくしの寂しい葬送になってしまいました。

また、同じくコロナで亡くなった女優の岡江久美子さんの場合は、親族が火葬に立ち会えず、お骨が送られてきただけだったそうです。

通夜も告別式も省く

一般の人々の間にも、葬儀の簡素化の流れが進んでいるようです。

そのひとつが直葬です。直葬とは、通夜や告別式を省き、火葬のみを行う葬儀スタイルです。数年前から増えてきていますが、コロナの影響でその流れが加速しています。

直葬の場合、遺体は病院から火葬場へ直接運ばれます。そして火葬が済んだら、お骨はお墓へ運ばれ、納骨されます。納骨の際は通常、お坊さんが立ち会って読経し、お花が供えられ、親族らが焼香します。直葬ではこうした式がほとんど省略され、お墓の開閉を担当する作業員以外に数人が立ち会い、お骨を納めて終了となります。

また、先に火葬を行ってから後で葬儀を執り行うケースもあるようです。とりあえずといっては変ですが、こうしたご時世なので、まずは火葬して、後日コロナが収まってから告別式を行うというスタイルです。

さらに、通夜を行わず告別式だけ行って葬儀を1日で済ます一日葬も増えているそうです。

四十九日法要参加は5人以下?

さらに、四十九日法要も簡素化する流れになっています。特にお寺などで行う場合には、お寺側がら参加者をできるだけ少なく、5人以下にしてほしいなどといった要望がされるという話も聞きます。

それでも四十九日法要ができればまだいい方で、延期せざるを得なかったり、一周忌法要とまとめて行うことにしたなどといったケースが見られます。

実際にある故人の通夜・葬儀でクラスターが発生したケースがありました。故人のための葬儀や法要でコロナ感染者が発生したりしたら、それこそ本末転倒で、故人があの世で嘆き悲しむにちがいありませんから、仕方のない流れなのかもしれませんが、寂しい限りではあります。

元には戻らない前提で葬送スタイルを考えるべき

コロナのせいで故人の送り方が大きく変貌しています。コロナ禍は一時的なものかもしれませんが、それが収まっても、変わってしまった葬送のスタイルは元には戻らないでしょう。つまり直葬や家族葬といった、従来より簡易で小規模な葬送スタイルがさらに一般化してくると思われます。

これについては賛否両論あることでしょう。「簡易なお葬式の方がありがたい」という遺族がいる一方で、「故人の死に向き合い、別れを実感する儀式としては寂しすぎる」という声もあります。

親族だけでなく、友人や仕事で関わりがあった方などは「何十年も親しくしていただいたのだから最後の別れはちゃんといいたい」とか「仕事で大変お世話になったからお礼を申し上げたい」とか「ご遺族にお悔やみをいいたい」などといった声が起こっても当然です。葬儀は故人のためだけでなく、関係者全体のための儀式でもあるのですから。

まとめ

ただ、やはり流れとして葬儀の簡略化を止めるのは難しいでしょう。親族としてはなかなか納得がいかないかもしれませんが、その代わり位牌やお墓の前での祈る機会をもっともっと増やすという手もあります。

立派な葬儀・法要よりも、故人に対する敬慕の念に重きを置くというスタンスに移行する時期なのかもしれません。

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