沖縄は門中墓などの大きなお墓が特徴のため、個人所有の個人墓地が多い傾向にあります。
そんな中、近年では霊園でお墓を建てる方が増えてきました。
霊園にお墓を建てると、区画自体のお墓の掃除などは墓主が行いますが、一定の管理に関しては安心できますし、永代供養のオプションなどが付いていると無縁仏になる心配もありません。
近年の沖縄では継承問題が深刻化してきていて、無縁仏になってしまうお墓も少なくありません。また、現在の沖縄で新しくお墓を建てる際には、霊園で建てることが推奨されています。
そんな現状で、霊園にどのようにお墓を建てれば良いのか、というお悩みやご相談も多くなってきています。
そこで今回は沖縄の霊園でお墓を建てるときに知っておきたいことをお伝えしていきます。
墓地には使用規則がある
霊園の墓地では契約した区画を使用する権利を得ることができますが、なにもかも自由に使えるわけではありません。特に沖縄では霊園の景観を保護する意味合いもあり、規則は霊園によって様々です。
墓地使用規則はそれぞれの霊園管理者が決めていて、内容はというと墓地の使用目的や使用資格のほか、使用料・管理料などが明記されています。
主な使用規則のポイントとしては
①埋葬者の制限
寺院境内墓地に多いのが、墓主の親族以外の埋葬を許可しないという規則です。墓主の親族のみ埋葬可能という規則が多くなっています。
②工事の承認
大半の霊園では信頼性と環境保全のため、石材業者を指定していることが多く、その場合には管理者の許可なく勝手に違う石材業者に頼んで工事はできない旨の規則が明記されています。
③墓地内の設備制限
施設によっては墓地購入後から建墓までの期限を定めていたり(例えば3年以内など)、お墓の高さが決められている(高さ2.5m以下など)ことがあるので、しっかりと規則を確認してください。
その他、霊園の景観を守るために区画によってはお墓のデザインも規制する施設もありますので、必ず墓地使用規則は確認するようにしましょう。
霊園の区画を契約しても自由にはできない!?
実は霊園の区画はなにもかも自由にしていいわけではありません。
沖縄の個人墓地は他の不動産と同じように土地を探して購入しますので「個人の所有」ということになりますが、霊園の区画を購入しても個人の所有にはなりません。
霊園でお墓を建てる場合、墓地の区画を購入するのではなく、あくまで「使用権」を永代に渡って購入するのです。(これは「永代使用料」といいます)
つまり契約しても所有はしていないので、墓地を販売したり、貸したりすることはできません。
また、永代に渡って使用することはできますが、継承者がいなくなって年数が経ってしまったりすると、管理者が区画整理を行うこともあります。
他にも、寺院境内墓地などでは継承者に条件がつくこともあります。例えば、現在の墓主から三親等以内であること、などです。
この「永代使用料」ですが、「永代供養料」と勘違いされる方もいらっしゃいますが、全くの別物です。
永代供養料は永代に渡って子や孫に変わり供養する料金ですが、永代使用料はあくまで区画を永代に渡って使用する料金です。
その他かかる料金
他にもかかってくる料金として、「墓地管理料」があります。
これはマンションの管理費などと同じで、共用部分の管理をするための費用になります。
あくまで共用部分の管理費なので、契約している区画の掃除をしてくれるというものではありません。
気をつけて欲しいのが、この管理費でさえ滞納してしまうと永代使用権がなくなってしまうことがあるので継承者の維持と管理費の納入には注意してください。
最近の民間霊園の傾向として、基本的にすべてのお墓に永代供養オプションが付けられています。
この場合には継承者が滞ったり、管理費の滞納などが起きて一定期間経過すると、霊園内の合祀墓に遺骨を改葬し、他の遺骨と一緒に合祀供養してくれるため、無縁仏になる心配がありません。
まとめ
今回は霊園でお墓を建てる際に知っておきたい知識をお伝えしました。
基本的には区画を契約しお墓を建てれば永代供養をしてくれるというのが霊園などの集合墓地です。
「墓埋法」が制定される以前は家の裏山や畑にお墓を建てていましたが、今となってはどこにでも埋葬していいというわけではありません。
たとえ火葬後の家族の遺骨であっても許可なく埋葬してしまえば、それは「死体遺棄罪」という立派な犯罪になってしまいます。
また、最近の沖縄では無縁仏になってしまうおそれから、個人墓ではなく集合墓地にお墓を建てることが義務付けられました。
これから霊園にお墓を建てるのが一般的になっていきますので、ぜひこの機会に霊園でのお墓の建て方を知っておいていただければと思います。