近年、墓主の高齢化や継承問題などで墓じまいする家系が増えてきています。
先祖代々続いてきた門中墓が自分たちの代で墓じまいされてしまうのは自分たちにとって、ご先祖様にとっても悲しいですよね。原因としては、お墓の管理が大変ということが挙げられます。
そこで解決法として、永代供養墓に変更するのはいかがでしょうか?
「永代供養」とは、集合墓地を管理する施設が遺骨を子などの子孫に代わり、管理・供養してくれるというもの。
ただし個人所有の個人墓地だと永代供養の制度を受けられないので、集合墓地に引越しさせる必要があります。
今回はそんな個人墓から永代供養墓に改葬を検討中の方々から多く聞かれる疑問を解決していきたいと思います。
遺骨が多い場合でも大丈夫なのか
沖縄の個人墓地は門中墓が一般的ですが、そこに祀られている遺骨も多いことでしょう。
永代供養のために集合墓地に改葬するとなると、今まで通りの大きな門中墓というわけにはなかなかいかないものです。そんな場合でも多くの遺骨がある場合はどうすればいいでしょうか?
解決方法のとしては
・古い遺骨は合祀塔に他の遺骨と一緒に合祀供養し、新しい遺骨、近しい遺骨は新しいお墓に納骨する方法。
・遺骨を粉砕したり、喉仏だけ残したりして小さくし、小さい骨壷に納めて納骨する方法。
などがあります。
余談ですが、昔は個人墓地でも古い遺骨はお墓の裏側に移動させてるところがたくさんありました。
霊園でも沖縄式焼香はしても大丈夫?
個人墓地では、焼香(法要)の様式は墓主の判断で問題なかったのですが、霊園などの集合墓地となると一概にはそうはいきません。
特に寺院墓地の場合はその寺院の「檀家」となり、葬儀から焼香(法要)戒名までもをそのお寺に相談し、宗旨宗派の沿って執り行う決まりがある霊園も多いです。
ただ、最近の霊園では宗旨宗派にこだわりのない霊園の方が多く、沖縄式の焼香(法要)でも問題ないことが多いので、詳しくは霊園に問い合わせてみると良いでしょう。
お墓の改葬・引越しの際の供養は?
やはり遺骨を移動するとなると供養はどうするのか、どんなスタイルで行うのかという疑問も出てくると思います。沖縄ではお墓事は日取りを気にして準備を進めることが多いので、特に気になってくることだと思います。
改葬の際の供養の具体的な種類としては、「納骨式」の他にも「墓じまい」と「新しい墓を建てた際の供養」があります。
墓じまいの供養は「閉眼供養」と呼ばれ、一般的にはお坊さんを呼んで読経供養を行って魂を抜きます。
新しい墓を建てた際の供養は「開眼供養」と呼ばれ、こちらもお坊さんを呼んで読経供養で魂を入れます。
このお坊さんを呼ぶときの費用ですが、3万円がだいたいの相場です。
これは「お布施」といって、読経してもらう際の謝礼のようなものです。
実際に個人墓地から霊園へ引っ越すのはいくらかかる?
じゃあ実際に改葬費用はどれくらいかかるのでしょうか?
もともと霊園に墓地がある場合は永代供養を付加するだけなのでそれほど高額な費用はかからないですが、個人墓地から霊園の永代供養墓に改葬するとなるとそれなりの費用がかかってきます。
全国の一般的な改葬費用の相場は「200万円~300万円」です。ただし、これは寺院墓地での離壇料や新しいお墓の料金まで全て含まれた金額です。
沖縄は個人墓地が多く、この場合は離壇料がかからないですからこれほどの費用はかからないことが多く、だいたい130万円~といったプランがたくさんあります。
ここでも余談になりますが、純粋な墓じまい(お墓を更地にする)だけの費用を考えると、30万円~60万円くらいが目安になってきます。
とりえあえず何から始めれば良い?
ここまで色々な疑問を解決してきましたが、「結局なにから始めればいいの?」となってきますよね。まずは必ず改葬先探し、つまり霊園見学から始めてください。
必ず改葬先探しから始めた方がいい理由は3つあります。
・遺骨を移動させる際の手続きがスムーズ
遺骨を移動させるには手続きが必要になります。その手続きを行う上で新しい納骨先を届け出る必要があります。
そのため、新しい納骨先が決まっている方がこの手続きがスムーズになります。
・遺骨の一時保管場所が必要になる
墓じまいをしたけれども改葬先がまだ決まってない場合、遺骨を保管しておく場所が必要になってきます。
そのために保管場所を探したり、費用も余分にかかってくるので必ず改葬先を決めてから墓じまいすることをオススメします。
・改葬先の霊園のスタッフに相談できる
お墓の引越しには細かい疑問がたくさんでてきます。改葬先が決まっていればその霊園のスタッフに色々相談できるので気持ちも楽になります。
これらの理由から、まずは改葬先探しから始められることをオススメしています。
まとめ
今回は改葬(お墓の引越し)をする際に多く聞かれる疑問にお答えしていきました。
近年の沖縄では、門中墓から霊園の永代供養墓に改葬することが多い一方で、生きているうちに霊園に自分のお墓を建てて、永代供養を契約する方も増えてきました。
このように永代供養が増えた沖縄で、様々なお墓の形ができてきました。小さな50万円前後のお墓や、コンパクトな100万円前後の個人墓も現れました。
沖縄で永代供養を検討しているのであれば、まずは自分の足で霊園を巡って、比較検討してみてはいかがでしょうか?