高齢者がコンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」に取り組むと、身体機能と認知機能の改善につながる可能性があるとの分析を、医療データ解析などを行う会社「プリベント」(名古屋市)がまとめた。
奈良県川西町の協力で、同町のNPO法人「川西スポーツクラブ」が今年2月までの3か月間、週1回、65歳以上の町民を対象にフレイル予防を目的としたeスポーツ教室を開いた。参加者は、テレビ画面の前でゲームのコントローラーを操作し、リズムに合わせて太鼓をたたいたり、ボウリングをしたりした。
同社の理学療法士が、参加前と3か月後に、参加者のうち12人(平均年齢71・9歳)の身体機能や認知機能を測定した。
イスから立ち上がって3メートル先まで歩き、イスに戻って再び座るまでの時間は平均6・1秒から5・8秒に短縮した。バランス能力などで身体機能を評価する数値も向上した。
認知機能の検査では、参加前に、認知症になる手前のMCI(軽度認知障害)の状態に該当するとされた人が6人いたが、教室終了時には1人に減った。
同社代表取締役で理学療法士の萩原悠太さん(34)は「参加者が交流を深めたことで、気持ちが前向きになり、普段の活動も活発になったことが一因ではないか」と話した。(長原和磨)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20230725-OYTET50014/
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