新型コロナウイルス禍で遠出を控える高齢者や障害者を支援
新型コロナウイルス禍で遠出を控える高齢者や障害者を支援しようと、旅行代理業を手掛ける兵庫県相生市矢野町の塚本陽子さん(68)が、旅行に特化した介護タクシー事業を始めた。
感染「第6波」の拡大が続く中、電車やツアーバスを使わずに遠出をしたい人の需要を見込む。
(地道優樹)
塚本さんはバス会社に約30年間勤め、旅行プランの営業などに携わった。
退職後の2013年に旅行業者として独立。「天馬トラベル」の屋号を掲げ、同県姫路市大津区にオフィスを構える。
コロナ禍で例年の約2割に激減
コロナ禍では旅行の申し込みが激減し、年間の売り上げは例年の約2割となった。
時間を持て余していた21年春、同市内で老人ホームを運営する知人に
「入所者が少人数で安全に旅行できないか」と相談され、事業化を思い付いたという。
相生市社会福祉協議会の講座で食事や入浴の介助などの基礎知識を学び、
介護職員初任者研修の資格を取得。
車いすのまま乗車できるワゴン車を購入し、ドライバーやヘルパーら必要な人員も確保した。
今年2月から本格的に受け付けを始めている。
利用者は同行する介護スタッフから車いすの乗り降りや旅行先の移動などの介助を受けられ、宿泊も可能。
ホテルや旅館の宿泊料金のほかに、利用時間に応じた運賃と介護料、交通費を支払う。
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運賃は1時間の利用で1組5240円。介護スタッフの同行料は
1日1万6500円で、旅先での介護料は1時間2200円。
すでに老人会などから問い合わせが寄せられており、塚本さんは
「電車の乗り換えの負担やバスツアーの密を気にせず、旅行を楽しんでもらいたい」と話した。
天馬トラベルTEL079・230・0901