高齢ドライバーによる死亡ひき逃げや高速道路の逆走など重大な交通事故が社会問題化する中、適切な年齢での免許返納を考えているドライバーは多いことでしょう。
しかし、公共交通機関が充実していない地域の住民や、家族の中でほかに運転できる人がいない場合は、返納後の移動手段に困る面が出てきます。
そこで、高齢者が免許を返納することで得られるメリットや、返納した後の移動手段について解説していきます。
1 高齢者が免許を返納するメリット
2 免許返納した後の移動手段は?
3 免許返納によって受けられる支援や返納後の移動手段を調べておくと安心
1 高齢者が免許を返納するメリット
まず、免許を返納することでどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
・交通事故のリスクを減らせる
最大のメリットは、交通事故を発生させるリスクを減らせることです。若い頃には考えられなかった操作ミスや判断ミスに不安を感じていた人は、運転をやめることで交通事故の加害者になるリスクから解放されます。本人はもちろん、家族も不安から解放されることは大きなメリットです。
・車の維持費がかからない
自分で運転することがなくなれば、車を所有する必要もなくなります。これまでかかっていた「維持費」がかからなくなることもメリットの一つです。
「ガソリン代」や「高速道路料金」をはじめ「自動車税」「点検整備費」「車検代」「保険代」などと、車の維持には何かとお金がかかります。
賃貸物件に住んでいる人や自宅に駐車スペースがない場合は、「駐車場代」も必要です。
しかし、免許を返納して車を維持することがなくなれば、これらのお金がすべて浮くことになります。
・自治体ごとで用意されている支援を受けられる
免許を返納した高齢者に対して、自治体ごとにさまざまな支援が設けられています。その支援を受けられることもメリットです。タクシーの「乗車券やクーポン」「商品券」などが返納時に配布される一時的な支援もあれば、タクシーや路線バスの運賃が割引される日常的に利用可能な支援もあります。
例えば、長崎県では月額3000円で乗り放題の「免許返納者パス券」やバス乗り放題定期券の割引、タクシー運賃の割引などが利用できます。
2 免許返納した後の移動手段は?
公共交通機関が充実していない地域に住んでいる場合は、免許を返納した後で移動手段に困ることでしょう。
バスや電車が充実していても、自宅が駅やバス停から離れていると利用できないこともあります。
そのようなときに便利なのが、「オンデマンド交通」の存在です。
オンデマンド交通とは主に小型バスを利用したもので、事前予約で乗車できる乗り合い型の交通機関を指します。
利用するには、電話やアプリを使って希望の時間と乗車場所を伝えて予約するのが一般的です。
オンデマンド交通は、路線バスのように時間やバス停が明確に決められているわけではありません。
乗車場所や降車場所は、自宅前や最寄りのバス停、建物など柔軟に対応してくれるのが特徴です。
実際の利用方法や乗車可能な場所は自治体によって違いますが、従来の路線バスとは違い、自分が使いたいタイミングで利用できます。
3 免許返納によって受けられる支援や返納後の移動手段を調べておくと安心
多くの自治体では、高齢者の免許返納に対して何らかの支援や特典が用意されています。また、免許返納後はオンデマンド交通を利用するのも一つの手段です。
しかし、すべての自治体で十分な対策がとられているとはいえません。
この点は今後の大きな課題といっていいでしょう。
自分が住む地域では返納に対してどのような支援や移動手段が用意されているのか、あらかじめ調べておくと安心できます。
出典先
高齢運転者支援サイト 運転免許証の自主返納をお考えの方へ 〜各種特典のご案内〜
長崎県警察 運転免許を自主返納した高齢者等への支援状況
小山市 デマンドバス
笠間市 デマンドタクシーかさま
大阪メトログループ オンデマンドバスとは?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルフィールド > 老後 > セカンドライフ > 73歳「免許返納」を考えていますが、その後の「移動手段」がありません…どうすればいいでしょうか?
更新日: 2022.12.28 老後
ttps://financial-field.com/oldage/entry-178049
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