あなたはお墓の耐久性がどれほどなのか考えたことはありますか?
建物のようにお墓にも経年による劣化や風雨などによる劣化が少なからずあります。一度お墓を建てたからといって永久にお墓があり続けるわけではありません。
さまざまな思いを込めて建てられたであろうお墓です。住居のように劣化が見られればその都度メンテナンスや改修、場合によっては建て替えを行い、長きに渡って守っていきたいものです。
今回は「お墓のリフォーム」の必要性やリフォーム時期の目安、リフォームの技法や種類についてお話ししていきます。
目次
お墓のリフォームの目安
形あるものがこの世に誕生し、その瞬間から劣化は始まっていきます。
その「物」の時間を止める事はできません。
メンテナンスや相応のケアやリフォームを施す事で「物」の寿命が変わります。
お墓の場合、住居と違い専門業者の数に限りがあります。
お墓のリフォームは頻繁に行うものではないからです。
比較する対象が多くないため、選択肢も必然的に少なくなります。
お墓のリフォームを経験された方のお話しや口コミを頼りにリフォーム業者を選んで依頼できればいいのです。
しかし悪徳と言われる業者にあたる可能性もゼロとは言えません。
リフォームに関しては、調べずに飛び込むのではなく、なるべく事前に基礎知識を得てから業者探しを始めてみても遅くはないのです。
お墓の傷の状態について
めったに大きな傷がつくことはありませんが、災害によるヒビや落石がある事があります。
ヒビが発生すると強度は落ちるので地震が発生すると倒壊の恐れが出てきます。
また半壊の状態になり、建て替えを余儀なくされるケースがあります。
お墓の構造上に問題のない、比較的小さな傷であれば補強材などで修復は可能かもしれません。
しかし、ヒビや大きな亀裂が入ってしまった場合は残念ながら遅かれ早かれ建て替えとなるでしょう。
業者によっては問題箇所のみパーツ替えし組み直すところもあります。
部分的に直すことができる場合もあるので、気になる箇所がある場合はプロに相談してみると良いでしょう。
地震などで地盤に問題が生じた場合は、その土地すら立地不可能になるケースもあります。
ヒビや傷、破損箇所や地盤に問題はないかなど素人では判断しづらいところは、石材屋さんやお墓業者のプロに見てもらい判断してもらうようにしましょう。
長い年月を経たお墓の劣化について
墓の寿命というのは素材別で違います。
一般的に比較的安価で建てられる⇒コンクリート墓は20~30年、天然石材使用のお墓は30~45年程度と言われています。
お墓は基本的に屋外で雨ざらしの状態になるので天候が影響します。立地環境も少なからず影響します。
「数十年先のことだから…」と安易に考えず、定期的になじみの石材店やお墓の専門店でメンテナンスの意味を込めて見てもらうのをおすすめします。
お墓の耐久年数について
年月を重ねてきた建物に生じる経年劣化はお墓のみならず,全ての建築物に現れます。それらは現代の最新技術を以てしても避けられません。
形あるものにはその個体それぞれに寿命が存在します。
劣化を止める事はできませんが、延ばす事は可能かもしれません。
リフォームや改修、修繕を行い建物を管理していくことで建てた時に目安とされていた耐久性を大きく超えて存在していくことができることがあるのです。
もちろんそれには高度な技術や高い費用を要します。
「その建物」が「そこに存在している事に意味を持つ」といった特別な思いがお墓にはつまっていることもあり、費用を惜しまないご家族もいます。
コンクリート墓の寿命
沖縄のお墓でポピュラーなコンクリート墓の寿命は20年から30年と言われています。
コンクリート墓は「流し込み」と言って枠に流し込み固め、形状を維持させ建てていく方法が主流です。
少し前まではよりコストのかからないお墓にするため、お墓の外枠部分はコンクリートブロックを使用する方法もとられていました。
ここ数十年は沖縄では、真夏の太陽からの直射日光のをまともに受けるために
耐震の問題からブロックを使用した確実にお墓は減っています。
天然石材のお墓の寿命
「御影石等の天然石材使用のお墓」はいつの時代も人気の高い物です。
石本来の模様やキメなどに味があり、見た目も良く重厚感や高級感があります。一方で石材の値段は高く、すべて天然石材でそろえようとするとお墓の規模にもよりますがそれ相応の金額になります。
天然石材の方が耐久性に優れていますが、年月が経つにつれて表面に細かな傷が生じたりするのでコーティングし直すなどの定期的なメンテナンスが必要です。
お墓の立地環境
お墓を建てる、もしくは購入するにあたって重要視しなければいけない条件に「立地」が大きく関わります。
一度建てたら基本的にずっとその土地とのお付き合いは続きます。
お墓の引っ越しを前提にお墓の購入をする人はほとんどいません。
いくら安くても遠方では頻繁に訪れる事ができずに足が遠のいてしまいます。
若い時は車を運転して行けたとしても、歳をとってお参りが困難になってしまってはいけません。
お墓にたどり着くまでの道のりが山道だったり、悪路であるのも考えものです。
少なくとも年に1回はお参りする場所です。
後々の事を考えて体力的に無理のない場所にお墓を構える方が賢明でしょう。
実際にあるお客様のお話しでは、「昔建てたお墓が山の上に建っていて、お参りが体力的に困難である。
結局ここ数年はお墓参りができずにいる」と言った意見がありました。
今一度ご自身のお墓の立地について考えてみてはいかがでしょう?
無理せず気軽に立ち寄れる、心にゆとりをもってお参りできるお墓が家族の集まる場所であって欲しいものですね。
お墓のサイズ変更
数あるお客様の中で「お墓にお骨が入りきれなくなり困っている」といった意見をお持ちの方がいらっしゃいました。
さまざまな環境の変化を加味すればその逆の例もしかりだと思います。
お骨が入りきれずスペースの確保が難しい場合は、新たな墓地を探し、お墓の建て替えや引っ越しを行うことがあります。
私たちも家族が増えると居住スペースにゆとりを求め引っ越しやリフォームを考えます。
お墓においても同様に納骨スペースやお参りする際に不便が生じる場合は、改葬やリフォームを考えられても良いでしょう。
しかし、個人の独断で改葬やリフォームを行うとトラブルになりかねませんので、家族や親族で「どれだけのスペースが必要なのか?」「それ相応の墓地を確保できるのか?」などよく話し合って円満にすすめていきましょう。
話合いでおおかたの方針や希望、予算などがまとまった後にプロの目線から見て無理が生じていないかなど意見を求めてみるのも有効です。
それらを繰り返し協議していくことで意見の摺り寄せを行い、具体的に実現していくことを推奨します。
お墓のリフォームの種類
一言でリフォームと言っても方法はさまざまです。ここでは代表的なリフォームについて説明していきます。
大切なお墓のクリーニングについて
沖縄ではお彼岸にお墓参りをするというよりも清明祭の前にお墓の掃除を行うことが多いです。
家族総出で草刈りや掃き掃除、お供えをする準備で仏具を洗ったりと協力してできるならそれに越したことはありません。
しかし、体力的に難しい方や日程の調整ができない方もいらっしゃいます。
仕方がないと思いつつも、なにか心苦しいものです。
そういう方におすすめなのがお墓のクリーニングサービスです。
ハウスクリーニングサービスは知っていてもお墓のクリーニングはなじみが少ないのではないでしょうか?
昨今、お墓のクリーニングサービスも各所で行われています。
草刈りや掃き掃除をメインとする手軽なプランやお墓の研磨など大掛かりな作業を委託する事ができます。
もちろんお墓の大きさや場所、作業内容によって金額は大きく異なります。
先祖代々に守り抜いてきたお墓をきれいな状態で保っていきたいとお考えでしたら活用するのもいいでしょう。
お墓のコーティング
コーティングは素人で行うのは難しいです。それこそ専門業者やプロに依頼して行うのですが、少し金額が高くなりがちです。
お墓の材質が天然石を使用している場合、いくら頑丈な材質とはいえ表面に細かい傷ができます。
遠目で見ると少しくすんだようになってしまいます。
そんな時は石の表面を磨き、輝きが長持ちするようにコーティングを施します。
ヒビが入るほどの大きな傷の場合は有効とは言えませんが、少しくすんできたなと思うぐらいの時期に行うと見違えるような仕上がりに変わるのです。
しかし、コンクリート墓やブロックを使用したお墓の場合はコーティングが難しいです。
特殊なコーティングを行う場合、それ相応の費用が発生する場合があります。
コンクリートやブロックを使用したお墓に多いのが、苔やシダが発生しお墓そのものの色や雰囲気までガラッと変わってしまうケースです。
コンクリートなど水分を含みやすい材質でお墓を作った場合、苔やシダが発生しやすいのです。
主流になっているコーテイングされた天然石は、水分を弾いて内部に水分を含みにくい性質があるので苔やシダの発生を防ぐことができます。
沖縄は年間を通して温暖で湿気が高いため、苔が発生しやすいと言えます。
メンテナンスを定期的に行っても苔やシダが発生してしまうのでキリがないように感じ、墓掃除が億劫になる事もあるでしょう。
大切なご家族の眠る安らかな場所ですのでキレイにしてあげたいと思う気持ちは誰しも持っているはずです。
自身のお墓を考えた時には、子供に負担にならないようコーティングを検討してみても良いかもしれません。
花立や香炉などの小物について
花立や香炉などの小物については墓石を解体する事なく後付けで設置している物については、その部分だけの付け替えも可能です。
料金はそれぞれの業者でバラバラですが、欠けてしまったり傷が目立つようなら買い替えることをおすすめします。
近年増えているオリジナルのオブジェを施してあるお墓などは、特殊なデザインや技法を用いているケースも増えています。
該当する場合は利用しているお墓業者に相談して交換や補修を行いましょう。
お墓の傷、ひび割れの補修
前述でも言った通り天然石材の場合、研磨した後に苔やシダなどの発生を防止するためにできるだけ撥水の効果のあるコーティングを施しましょう。
細かい傷の場合は、有効ですがヒビが入ってしまうとヒビ専用の補修方法を施さなくてはなりません。
これらの補修については業者ごとに価格が変わるので、いくつかの業者に見積もりを出してもらい、実績等を確認したうえで依頼する事をおすすめします。
ごく一部ですが素人目には分からないだろうと適切な補修を行わず、かえってお墓を痛めてしまう事例も稀にあります。
大切なお墓の事ですので、信頼できる業者をきちんと見極めましょう。
今日の学びのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「お墓のリフォーム」についてお話ししました。さまざまな世代の方がご覧になっている事かと思いますがご自身のお考えの参考になれれば幸いです。
祖父母、ご両親の世代が建てたお墓がいつ建てられたのか?
補修やリフォームの必要があるのか素人目では分からない事が多くあります。
しかし、分からないからといってそのまま放置しておくのではなく、しっかりと業者さんなどのプロに見てもらって解決した方が良いでしょう。
大切な方が安らかに眠るお墓ですので、長きに渡って大切に守っていきたいですね。