最近SDGsという言葉を耳にしませんか。国連が決めた目標がどうこうといった話を聞いたことがある方もいるでしょう。
しかし、ちゃんと理解している人がどのくらいいるかというと、これは心もとない気がします。この記事を書いている本人ですら、よくわかっていないのですから。
ただ、どうもSDGsは仏教やお墓にも関わってくるらしいことが、最近わかってきました。どういうことなのか調べてみましたので、今回はSDGsと仏教界やお墓との関係について考えてみます。
地球人全員で世界をよくするための目標
まず、SDGsとはなんなのかについて見ていきます。
SDGs は正式名称をSustainable Development Goalsといい、2015年の国連サミットで採択されました。日本語では持続可能な開発目標と称され、2016年から2030年の15年間に達成するべき目標(ゴールズ)を定めたものです。
さて、持続可能な開発目標とかいわれても、それだけではなんだかよくわかりません。そこで、もう少し簡単にいうと、「今後の世界がもっとよくなるように、2030年までに地球に住む人全員で協力して解決したい目標」という感じになります。
17の目標と169のタfa45ikwーゲット
目標は17あります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
ちなみに、各ゴールにはそれぞれターゲットというものがヒモづけられていて、全体で169のターゲットが設定されています。
仏教界も取り組みを始めた
この目標に向けて各国は努力することになっていて、企業等も取り組みを行っています。当初、SDGsに取り組むことによって、企業イメージが上がるという認識があったようです。
しかし、最近では、大きな企業ではSDGsに取り組むのは当たり前といった空気が広がり、取り組んでいない企業はイメージダウンになったり、求人への応募が少なくなったりといった状況も見られるようになりました。
こうした空気の影響かどうかはわかりませんが、仏教界もSDGsへの対応に重い腰を上げました。公益財団法人・全日本仏教会がシンポジウムを開くなど、取り組みを始めています。
その主な目標というのは上記5番のジェンダー平等です。
日本ではジェンダー差別がまだ色濃い
たとえば沖縄でも問題視されていますが、女性はトートーメーを継げないとか、離婚して戻ってきたら実家のお墓には入れないなどといった、ジェンダー差別が今も厳然と存在しています。
また、日本は欧米等に比べてLGBT(性的少数者)への対応が遅れているといわれます。たとえば、日本ではまだ法律上同性婚は認められていません。世界ではカナダ、フランス、イギリス、アメリカ、イタリア、ドイツなどが同性婚を認めています。先進国で認められていないのは、ロシアと日本くらいのものです。
一方で、参議院の発表によると、日本の全人口の8%程度がLGBTだといわれています。自治体レベルでは対応を始めているところもあり、たとえば那覇市では、同性のカップルについてパートナーシップを認めて証明書を発行しています。法的効力はありませんが、同性婚に準じる扱いといっていいでしょう。
ゲイやレズビアンカップルがいっしょに入れるお墓を
全日本仏教会では、仏教においては性別にかかわらず誰にでも救いの道が開かれていると説いているにもかかわらず、現状では同性婚が認められてもどちらかの家のお墓にいっしょに入れないことに問題意識を持っているといいます。
また、お墓の継承問題では、江戸時代に定着した檀家制度にも根元があり、救いの道に男女差などないという仏教の教えとの矛盾についても、改善していかなくてはならないという認識があるようです。
こうした取組の成果か、最近ゲイやレズビアンカップルがいっしょに入れるお墓を用意したり、戸籍上は女性でも男性として生きてきた人には男性用の戒名をつけるなどの対応をするお寺も出てきています。
このような、時代に即した姿勢を打ち出していかないと、さらにお寺離れが進んで、仏教界も苦境に陥りかねないという危機感もあるのでしょう。
まとめ
現在はコロナ禍でそれどころではないかも知れませんが、SDGsへの取り組みは、今後さらに広がっていくと思われます。
そのなかでジェンダー差別の改善に関しても進んでいくでしょうし、沖縄のお墓やトートーメー問題についても影響を与えると考えられますので、身近な課題として注目していきたいものです。