「コロナで、お葬式はどうなっている?」~コロナ禍で変わるお葬式の現状~

この記事を書いている日、沖縄県は新型コロナウイルスの感染拡大が続いているとして、3度目となる緊急事態宣言を発しました。県民に不要不急の外出自粛や、飲食店の営業時間短縮を求めています。

これが、人が集まるお葬式にも大きな影響を与えることはいうまでもありません。そこで、コロナウイルス感染が広がる中、お葬式の現場はどうなっているのか、調べてみました。

お葬式における感染対策の要点

コロナ禍で外出を自粛したとしても、お葬式を自粛するわけにはいかない場合も多いでしょう。なので、最大限に感染対策をした上で行うことになります。その要点は以下のようなものです。

まず、いわゆる3密、つまり密閉、密集、密接を避けることです。そのために参列者の数はできるだけ少なめにする、参列者の間隔は少なくとも1mできれば2m取る、式場のドアや窓を開けて換気に努めるなどが行われています。

また、式場の入口にはアルコールなどの手指消毒液を置き、参列者にはマスクの着用を徹底し、場合によっては、持っていない人にマスクを配ったりもしています。

お茶等のもてなしはセルフサービスとする、料理を提供する場合は大皿ではなく個々に出す、参列者には焼香の前後にも手指の消毒をしてもらう、なども求められています。

それから以前にも紹介しましたが、お葬式への参列を自粛した人への映像配信も推奨されています。

葬儀社側も自分の身を守らなくてはいけない

以上は、主に参列者間での感染拡大防止を念頭においた対策ですが、葬儀社側としてもスタッフを守らなくてはなりません。その対策は、次のようなものです。

遺体の搬送や遺族の送迎時は、車両のドアノブから座席、ストレッチャーなど人の手が触れる部分を念入りに消毒する、車両の換気を徹底するなど。

また、遺族に対してはマイクロバスなどでの移動を避け、マイカーを使うようお願いすることも推奨されています。

葬儀社にとっての社会的使命

しかし、これだけコロナが蔓延し、死者も多くなると、その葬儀もしなくてはなりません。葬儀社がその依頼を受けた場合、コロナで亡くなった人だからと拒否するわけにはいかないでしょう。それは、葬儀社にとっての社会的使命ともいえるからです。

なので、コロナ死者の葬儀をどう行うか、葬儀社にとっては真の力を試されているともいえます。そこを探るため、実例を見てみましょう。

防護服を着て火葬場に直行

コロナで亡くなった人は、まず遺体収納袋、いわゆる納体袋に入れられて密閉されます。そこへ葬儀社のスタッフが現れます。その人は、医療関係者かと見まがうほどの本格的な防護服を着ています。

納体袋はさらに棺に納められ、霊柩車に乗せられます。遺体は、普通なら自宅や葬祭場に運ばれますが、そうはなりません。車は、火葬場に直行するのです。ちなみに霊柩車はコロナ専用が使われることもあるとか。

遺体を清めたり、死化粧をしたりすることもできません。そのまま火葬に付されますが、葬儀社によってはその前に濃厚接触者ではない遺族に来てもらったりするそうです。

しかし、遺体を棺から出すこともできないので、遺族は顔を見ることもできず、棺越しにお別れを告げることになります。できるのは棺の上に花や写真などを置くことぐらいのようです。

火葬は他の利用者がいない時間帯となります。夕方から夜にかけてとなるでしょう。

もちろん、通夜などは行われません。火葬後に家族だけでお葬式を行うか、人数を絞った上で前述のように感染対策を施してお葬式を行うことになります。

遺族の気持ちを考えてできるだけのことを

2020年にコロナで亡くなったある女優さんの場合、家族は病院へのお見舞いにも行けず、火葬にも付き添えず、亡くなったという知らせが来たあとは、自宅に遺骨が送られてきただけと報道されていました。

あまりにもさびしい別れですね。コロナは死者と生者の絆も断ち切るようなことをしますが、そんななかでも葬儀社は遺族を火葬場に呼んでお別れの機会を提供したりと、できるだけの努力をしているようで、頭が下がる思いがします。

普通のお葬式がどんなにすばらしいか

コロナ前は、お葬式に参列していても、これが当たり前であり、死者への追悼以外にはそれほどの感慨は持っていませんでした。

しかし、コロナ禍のまっ最中なると、普通にお葬式をして亡くなった人にお別れを告げられることがいかにすばらしいかを実感させられます。

普通にできるようになったら、それこそ感動するかも知れません。

まとめ

コロナ禍のお葬式では、徹底的な感染対策と少人数化が行われています。

葬儀社側もスタッフの感染を防止しつつ、遺族の思いにどう寄り添うかを考えてできるだけの対応をしています。

コロナが終息して普通にお葬式ができるようになったら、それについて感謝の気持ちが湧いてくるかも知れませんね。

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