近年増えている手元供養の事情

手元供養

手元供養について

ここ10年の間に納骨や供養を取り巻く環境は大きく変化しています。その背景にあるのはやはり戦後、急激に核家族化が進み一世帯ごとの人数が4人以上だったものが2~3人に満たない数字になっています。

少子化の余波はこんなところにまで影響しているといった印象です。一人世帯や二人世帯が昔に比べ増えているのも大きな問題です。

少子化、一人世帯・二人世帯の増加がもたらす問題

例えば一人っ子同士の結婚という状況が少なからず出てきます。そうなると、嫁いだ女性の実家のお墓と嫁いだ先のお墓、つまり二つのお墓の面倒を見ることになります。

親としては子供に負担はかけたくないものです。そうなると自分のお墓や供養の方法など身の振り方を自分自身で模索します。現代になって「終活」という言葉が生まれたのはこういった事情が出てきたからなのかもしれません。

子供に負担を掛けたくないなら手元供養

さて親心から「子供に負担を掛けたくない」と考える方がその方法として利用するのが「手元供養」です。お墓を建てる代わりに個人の遺骨、または遺灰の一部をオブジェやペンダントにして身近において供養するものです。

やはり身近にあると安心するものですし悲しみを和らげるとの声もあり、最近では様々な商品が開発されています。

手元供養品の種類は大きく分けて二種類あります。

納骨型

お地蔵さんなどの形や写真の焼き付けが出来るものなどオブジェとして置いておく小さな骨壺の様なものです。素材に関しては陶器や真鍮、ステンレスにガラスなどがあります。

お骨加工型

遺灰から炭素を取り出し結晶化して人工ダイヤモンドを作る方法や遺骨でセラミックのプレートやペンダントに加工する方法もあります。

手元供養と言ってもすべての遺骨を加工することは難しいので以下のような組み合わせを選択する方が多いです。

  • 手元供養と従来通りお墓に納骨
  • 手元供養と永代供養のお墓に納骨
  • 手元供養と散骨
  • 手元供養と骨壺に入れ仏壇に

一言で手元供養といっても多種多様な方法があり組み合わせる事でより多くの選択肢が出来てきます。

お墓はあるが手元に置くことで故人を偲びたい…お墓の継承者が居ない…子供に負担を掛けたくないが供養はしてほしい…経済的な理由でお墓などを建てられない…その他様々な事情があるかと思います。

時代の移り変わりとともに各家庭の事情も変化していきます。供養にしてもそれぞれの気持ち、個人を偲ぶ心を大切にし様々な方法を模索していくのが良いでしょう。

時代や状況、環境が変わろうとも大事なのは人を想う心なのではないでしょうか?
昔よりも選択肢が増えた事はご遺族の方の心の整理のお手伝いになるのではないかと考えております。