お墓の工事開始時の工程と注意事項

納得したうえでの契約事項のチェックを終えたらいよいよ工事を開始します。実際にどのような工程で工事を進めていくかをお話しします。お墓はやはり神聖なものなのでいくつか儀式があります。

地鎮祭(ティンダティ)

沖縄の風習に基づくお墓での行事
沖縄の風習で、お墓の工事が始まる前に「ティンダティ(手斧立て)」と呼ばれる地鎮祭を行います。その土地の神様に挨拶と工事が滞りなく無事終わりますようにと祈願します。この儀式をユタや僧侶にお願いする方も居ますが、人それぞれです。自身が納得するやり方で行いましょう。

地域によってやり方は違いますが、家の建築と同じく四隅に竹を立て、紅白のロープを張り、土を盛り、鍬入れをするような形式になります。お供え物は重箱、菓子、果物、野菜などをお供えします。

ここで言う「土地の神様」とは「后土神(コウドガミ)」と呼ばれる神様の事で、お墓の守り神としてお墓の左側に一時的にお迎えし儀式が行われます。沖縄ではこれらに習って拝みの際には「ヒジャイガミ(墓左側の神)」から始まります。

基礎工事

基礎工事
地鎮祭が終わり、工事内容の打ち合わせ等が終わればいよいよ施工開始です。業者は材料を手配する準備にかかります。御影石使用であればほとんどが中国発注になるので少々時間を要します。

発注する間に墓標などへの彫刻する文字の書体や大きさを打ち合わせで決めていきます。一方現場では基礎工事の段取りが始まります。

霊園墓地の場合、基礎は先に出来ている事が多いのですが、個人墓地はそうはいきません。個人墓地の場合は整地、コンクリートで基礎固め、格子状の金網(メッシュ)を入れる所(地盤沈下・歪み対策)からスタートです。

こまめに現場に足を運び実際に見学しても良いでしょう。まれにではありますが、悪徳な業者はメッシュを入れずにコンクリートを流し込んだり、最悪な場合、施主が帰ったあとメッシュを抜いてしまうケースがあります。

お墓は安い買い物ではありません。作業工程や進捗状況などを実際自分の目で見て確認することをお薦めします。

組み立て

組み立て
御影石を注文していた場合、材料が届いて組み立ての流れになります。寸法などは事前に終えているはずなのであとは組み立てるだけです。積んでいくうちにすぐに形になっていきます。最も時間をとるのが材料の手配なので、材料が届けば工事自体約2週間ほどで終了します。

コンクリートの場合はまず、木材もしくは鉄板でお墓の枠を作ります。内部には鉄骨で骨組みを作っておきます。そこの生コンクリートを流し込み、約1週間程で形が出来てきます。枠を外し表面を整えれば完成です。

チェックポイント

お墓の工事中の写真
お墓を建てるにあたっていくつかチェックする点があります。前述でもありますように現場に足を運ぶ際にはこれらに注目してチェックしてみてはいかがでしょう。

御影石の場合

  1. 石の接合に使用される「コーキング」は適切に塗布されているか?(塗り忘れ等確認)
  2. お墓は傾いていないか?(垂直に建っている建物と比べてみましょう)
  3. 石に欠損やひびはないか?(光の当たり具合や角度を変えてみてみましょう)
  4. 石を加工する際にしっかり研磨されているか?(不十分だと波打つように見えます)
  5. 彫刻されている文字に不備はないか?(誤字、旧漢字・新漢字を確認しましょう)

コンクリートの場合

  1. 基礎工事がきちんと敷地内におさまっているか?(後々トラブルになります。)
  2. 部材が寸法通りになっているか?(特に扉や納骨室入口にズレがないか要確認です)
  3. コンクリートの塗り方にムラがないか?(手作業なので多少のムラはあります。)
  4. 釘や危険な突起はないか?(お子様がケガをしてしまう事の無いよう確認しましょう)
  5. 作業終了後に片付け・清掃はされているか?(近隣トラブル防止)

上記が問題なく進めば、お墓の完成です。
次に大切な儀式になりますが、お墓の完成祝い(開眼供養)を行います。

各地域によってやり方が違いますが、納骨式に参加する前に一度ご確認ください。