個人墓地と霊園墓地の形態について

「お墓を建てよう」という段階になった時にまずはどこに、どういうタイプのお墓を、予算をいくらで建てるのかが気になるところでしょう。墓地は大きく分けて二つの形態があります。

個人墓地

個人墓地

一つは「個人墓地」です。沖縄では昔からの習わしで「お墓を建てる」という時は各個人が自分のお墓を建てる事ととらえている方がほとんどです。

個人のお墓を建てる工程

  1. 土地を購入する。
  2. お墓業者に依頼する。→施工・建築
  3. 個人で管理し、次の代へ継承する。

簡潔に以上3つの工程があります。

沖縄では約20年程前に「管理型の霊園」が登場しました。しかし年月が浅い為、霊園自体の存在が十分に知られていないのが現状です。お墓を建てる際に、「霊園型の墓地」も見学してみるのも良いでしょう。どちらにも長所と短所があります。そこを見極めたうえで判断するのも一つの策です。

個人墓地が選ばれる理由(長所)

  • 土地名義が自分のものなので「土地財産」として時代に継承できる。
  • 立地にもよりますが、広い敷地に自分好みのお墓がある程度予算での建てられる。
  • 他所のお墓との境界がある程度広くとれる。
  • 土地の下調べをしていれば自宅から近いところにお墓を建てられる。

個人墓地の難点(短所)

  • 墓地周辺の管理(草刈り、庭の補修、墓の修理など)は自ら行わなければならない。
  • 墓参りに使用する掃除道具や水などの準備は自分たちで行う。
  • 立地にもよりますが基本的にトイレはありません。
  • まれに駐車場を併設してある墓地もありますが基本、駐車場の確保が難しい。
  • お墓を継ぐ人が居なければ荒れてしまい無縁墓の状態になる可能性がある。

個人は自己管理になるのでメンテナンスが必要

以上の事から、「個人墓地」では自己管理になるので、いかにメンテナンスをしっかり行うかが重要になります。(修繕、修理、墓掃除など)
また「個人墓地の場合」、土地を購入し名義の登記をしなければなりません。その際に登記トラブルには十分気を付けましょう。

そして「個人墓」を建てる場合には、その場所が墓を建てるにあたり許認可が必要かどうかがポイントです。必ず市長村や管轄の保健所に相談してください。墓地が県の基準に適合しているかどうか、市町村長や周辺の住民の了解を得られているかを確認する必要があります。

また、複数のお墓を設置する場合は公益法人に管理してもらい、許可を受ける方法があります。

お墓を建てるにはそれが自分の庭であっても都道府県知事の許可と近隣住民、周辺の生活環境に配慮する必要があります。以上の事を頭に入れましょう。

お墓も家を建てるのと同様に一生に一度の大きな買い物です。しっかりと情報収集をし自分の納得する判断をしましょう。

霊園墓地


霊園には管理者が居り、管理主体が「市町村」「お寺」「財団法人」の3つに分けられます。市町村の公営墓地には例えば那覇市にある識名霊園のように「個人墓地」として分譲し市が全体の管理を行う場合もあります。

「霊園墓地」は公園のように明るく綺麗に整備された墓園です。お寺が管理主体になっている場合を除き宗旨、宗派は不問。公営の場合は条件を満たした方のみの応募になります。また募集期間が限られており抽選になります。一方民営の場合は公営のように条件はなく墓のデザインや大きさなど自由に選べる事が出来ます。

霊園墓地が選ばれる理由(長所)

  • 永続的な管理をしてもらえる(草刈り、墓の修理修繕など)。
  • 登記の手続きなどがいらない。
  • 権利を購入するかたちになるので「墓地埋葬法」で権利が守られている。

霊園墓地(短所)

  • 各霊園で利用規約や契約規定があり、違反があれば立ち退きの場合がある。
  • 永代使用権の内容の理解が必要である。
  • 基本的に年間の管理費を支払うかたちになるので確認が必要である。

以上の事から霊園墓地でのトラブルのほとんどは認識の違いや説明不足で発生します。霊園墓地を使用する際には契約書や規定などをきちんと読み、コピーをとるなどしてトラブルを回避するのが得策です。