沖縄の風習シリーズ・旧盆の最終日に行われる『ウークイ』はどのように進められるのか?

沖縄は本土とは違い、旧盆という習わしがあります。

沖縄の旧盆は基本的に3日間行われ、初日がご先祖様をお迎えする「ウンケー」、3日間の真ん中が「ナカビ」、最終日が「ウークイ」です。

特に、定番の重箱料理である「ウサンミ」はウークイにお供えされる料理で有名です。

そんなウークイは帰ってきたご先祖様や故人が天へ戻って行く日ですので、安心してお見送りしたいですよね。

今回は沖縄の旧盆行事のひとつである、ウークイの進め方についてお伝えしていきます。

お供えするもの

ウークイではナカビと同じように朝一番にウチャトゥをお供えし、朝・昼までは家族と同じ料理をお供えして共食します。御先祖様をお見送りするウークイの儀礼は、夕方から始めるのが通例です。

このときに夕食には重箱料理の「ウサンミ(御三味)」をお供えします。基本的にはおかず重を二段とおもち重を四段そなえるのが習慣です。

そのウサンミの上にウチカビを添えます。

この日は集まる親族からいただいた果物やお菓子に関しては一緒に仏壇にお供えしましょう。

仏前でグイスを唱える

お仏壇のある家では、御先祖様をお見送りするウークイ儀礼を執り行います。本来はできるだけ遅い時間帯に始めるのですが、近年になって、集まった親族の帰りの時間も考慮して、夕方くらいに始める家が多くなりました。

ご先祖様のお見送りの手順ですが、

まず、お仏壇を前にして、宗家の当主が中心になって拝みを捧げます。
当主のヒラウコー(沖縄の平たい線香)はタヒラ(二枚)、残りの家族は半分のヒラウコーを拝してください。

次にグイスを唱えますが、内容は下記のように唱えましょう。

「本日、ウークイの日となりました。三日間、私たちのおもてなしを受け取ってくださり、ありがとうございます。本日のお供え物、お土産をお受け取りいただき、あの世でも、私たちクァックマガ(子孫)をお見守りいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。そしてどうぞ、また来年もお越しください。」

ウチカビを焚く

拝みを唱えたらウサンミから「ウハチ」(「御初」と書き、最初のおかずのこと)を取り出します。
ウサンミからおかずを数品出したら、おかずの上に返して置いてください。

ウハチを抜いた後、お仏壇前でそのままウチカビを焚く儀礼へと移ります。

基本的に、ウチカビは家長が五枚、一緒に拝んでいる家族や親族は、それぞれ三枚ずつ焚き上げます。

①当主→家族→親族の順番でウチカビを焚く。

②お供え物をおろして、お仏壇のお酒をボウルに入れて火を消します。

③先ほど準備をした「ウハチ」、お花とウチャトゥ、お供え物に添えた御先祖様のお箸である「ソーローハーシ」や「ミンヌク」もすべてボウルに入れてください。

④最後に香炉のヒラウコーもボウルに入れます。

⑤ヒラウコーを入れながら「ウサンデーサビラ(ウサンデーです。)」とお伝えします。

※ミンヌク・・・ウージや野菜の切れ端などを入れたもので、御先祖様と一緒に来てしまった、チガリムン(餓鬼)や無縁仏の霊が、御先祖様の料理を食べないよう、代わりに出していたお供え物です。

最後の儀式

仏前での儀礼を終えたら、門へ移動します。ウチカビを焚いてウハチなどを入れたボウルは門前まで持って行ってください。その際にヒラウコーも同時に持っていきましょう。

・門の中央に先ほどのボウルを置き、家長がヒラウコーをタヒラ(二枚)拝します。

・ここでも再び家長がグイスを唱え、集まった親族・家族、皆で拝んでください。ほぼ同じ内容ですが、グイスの内容は下記の通りです。

「ウートートゥ、ウヤフジガナシー(あな尊き御先祖様)、今年もお盆でのおもてなしを行うことができました。ありがとうございます。家族全員でお送りしております。どうぞごちそうやウチカビをお持ち帰りいただき、来年もまたお越しください。」

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は沖縄の旧盆行事であるウークイの流れについてお伝えしました。

基本的には、仏前にお供えものをし、ウチカビを焚き、グイスを唱えるという流れです。

ウークイが始まる夕方までの流れはナカビと同じ流れになります。

ただ、朝食や昼食はナカビと同じ食事でなくても大丈夫です。中には家族が食べている食事を一緒に御膳に配してお供えする家も多く、夕方にお供えするウサンミで用意した煮物を昼食に供える姿も見受けます。

帰ってきてくれたご先祖様をきちんと送り出したい気持ちはみなさんあると思いますので、基本的な流れとしてぜひ参考にしてみてください。

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