亡くなった時にかかるお金の中で大部分を占めるものが葬儀費用です。しかし、そんな一番お金のかかる葬儀費用にも関わらず、葬儀社任せの打ち合わせになってしまいがちです。
現代の葬儀では直葬や家族葬など様々の葬儀形態が出てきていますので、選ぶ葬儀形態によって金額の幅は様々ですが、その中でも一番価格帯に幅がある項目が棺と祭壇ではないでしょうか。
祭壇は豪華になればなるほど価格帯も上がっていきますが、一方で価格形態がわかりづらいのが棺です。
棺の価格は安く抑えられるものからかなり高価なものまでたくさんの種類があります。とはいえ、葬儀前に棺についての知識を持っている方はほとんどいないと思います。
そのため、知識がないのでどういう棺を選択すればよいのかわかりませんよね。そこで今回は、意外とお金のかかる棺について、棺の種類や価格帯についてお話しします。
棺の名前の構成
棺はどれを選んで良いか非常にわかりにくいです。その理由として、専門用語が多いため棺の名前の意味がわからないということが多いかもしれません。
そこで、棺の名前の解説をしていきます。ここでは「総桐平インロー」という棺を例とします。この名前だけでは何のことか全くわかりませんよね。
棺の名前は下の3つの要素から構成されています。
①素材
②蓋の形状
③造り
①素材
まず「総桐(そうきり)」というのはその棺が何の素材からできているかの素材を表しています。この場合には「総桐」で作られたことを表しています。
その他にも、「桐」「檜無垢(ひのきむく)」「樅無垢(もみむく)」などがあります。
②蓋の形状
日本では棺の蓋が平らになっているものが多い一方で、海外では丸くカーブがかっている蓋が多いです。このような蓋の形状を表すのが「平」部分になります。
③造り
「インロー」は聞きなれない単語だと思いますが、これは棺の造りを表しています。「インロー」は「インロー造り」の略です。その他にも「フラッシュ造り」などがあります。
このように棺の名前は素材、蓋、造りのそれぞれの名前をとって形成されています。
種類と金額の差
前述のように棺には様々な要素の様々な種類があります。そこでどの種類によってどのように金額が違ってくるのかが気になると思います。
蓋が平らである「平棺」に対して、丸いものは「アール棺」といいます。蓋は形状による金額にあまり差はなく、細工の細かさによって変わってきます。
「インロー」という造りは日本古来の凸凹を噛み合わせてた造りを示し、それに対して「フラッシュ」は芯をベニヤ板で挟んだ合板でできています。もちろん合板を使ったフラッシュ棺のほうがインローよりも金額が安くなります。
また、素材はもちろん高級素材に比例して、当然金額が変わってきます。(檜無垢→樅無垢→総桐→桐)
近年はフラッシュ棺に布を貼った「布棺」が主流になってきました。布棺は見栄えも良く、インローよりもリーズナブルという点が魅力の棺です。
この布棺の需要の高さから、従来の白い布貼りだけでなく、様々な色やグラデーションを選ぶ葬儀社も見られるようになってきました。
金額の目安と相場
前述した布棺は見栄えも良く、それでいてリーズナブルな価格だとわかりました。しかし、故人が最期に入る棺として金額を気にせずより良い棺を用意してあげたいという方もいらっしゃるかもしれません。
ここではそれぞれの棺の大体の相場の金額を見ていきたいと思います。
①フラッシュ棺
フラッシュ棺はベニヤ板などで芯を挟んだ合板で造られているので安価な価格で、大体5万円前後です。
②布棺
布棺はフラッシュ棺に布を貼ったものなのでフラッシュ棺の価格プラスαの金額になっていて、だいたい7~10万円くらいが目安です。
③天然木素材
上記二つとは違い、天然木を使用しているのでそれなりの値段はします。
檜無垢平インローでは約110万円、樅無垢や総桐だと約30万円が相場の金額です。
さらに高級なものも
先ほどの金額の相場を見ていると「110万円の檜無垢棺が最高級」だと思われるかもしれませんが、それ以上に高価なものも存在します。天然木では彫刻が施されてるものもありそれらはより高額になってきます。
順番に見ていきましょう
①シンプルな桐平棺・・・5万円
②布を貼ると・・・10万円
③布に刺繍すると・・・25万円
④一部だけ彫刻で30万円
⑤全面彫刻で50万円
というように金額が上がっていきます。
まとめ
今回は亡くなった時に一番多くかかる葬儀の中でも大半を占める棺の金額や種類についてお伝えしました。
素材、蓋の形状、造りにも色々な種類があり、その中でも彫刻がされていたり、天然木が使われているとより高級なものになるということがわかっていただけたと思います。
最近は「組み立て式棺桶」などもあり、日頃から自宅に保管できて、ひとりでも組み立てることができるにも関わらず、作りはしっかりしているのが特徴です。
近年、終活という言葉もよく聞くだけに、ご自身の終活についてよく考えてみるのはいかがでしょうか?