老人ホームに入居する高齢者は、突然の病気や認知症により、正確な判断能力を失う可能性があります。
万が一の場合に備えるため、保証人の存在は欠かせません。
そこで、この記事では「老人ホームの入居に保証人が必要な理由」「保証人の役割」「保証人になるための条件」について解説します。
また、保証人が見つからない場合の解決策も紹介していますので、保証人問題でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
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2:治療方針の決定や入院手続きなどを入居者に代わって行う役割
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老人ホーム入居の際に保証人が必要な理由とは?
保証人とは、本人が債務の返済などができなくなった場合に本人に代わって返済などの義務を負う人のことを言います。
老人ホームの入居に保証人が必要な理由は、以下の4点となります。
本人が費用の支払いをできなくなった場合に、入居者の代わりに費用を請求するため
本人が認知症や精神障害により判断能力を失ったときに、代わりに判断してもらうため
緊急時の連絡先になってもらうため
入居者が施設を退去する際の引受先になってもらうため
入居者に万が一の事態があった場合でも、費用を請求する、治療方針を決定するなどの適切な対応が取れるように保証人が必要とされるのです。
多数の高齢者が入居する老人ホームでは、容態の急変や死亡といった事態がいつ生じるかもわからず、全てのリスクを抱えきることはできません。
そのため、リスクを引き受けてくれる保証人の存在は、老人ホーム側にとって欠かせないものなのです。
老人ホーム入居時の保証人の役割とは?
老人ホーム入居時に保証人が担う役割を紹介します。
ここでは、4つに分けて保証人の役割を詳しく解説します。
1:費用の支払いに問題が生じた場合の保証
保証人は、入居者の費用の支払いに問題が生じた場合、本人に代わって費用を支払う役割を担います。
老人ホームに入居すると、賃料や食費などが毎月発生します。また、入居者が施設の備品を壊してしまった場合に弁償が必要な場合もあるでしょう。
そこで、入居者の支払い能力に問題が生じたり、判断能力が低下した場合、老人ホームは入居者から費用を回収するのが難しくなります。
基本的に入居者は高齢のため、いつ支払いができない状態になるかわかりません。そのため、支払い保証をする保証人の役割は重要です。
2:治療方針の決定や入院手続きなどを入居者に代わって行う役割
保証人は、入居者の病気や怪我で治療方針の決定や入院手続きが必要となった際に、入居者に代わって判断や手続きを担います。
通常、治療方針の決定や入院手続きは、入居者が自ら行います。
しかし、入居者の判断能力が低下していたり、重病で意思確認ができなかったりする場合には、入居者自身は手続きができません。老人ホーム側には、治療方針の決定や入院手続きを行う権限がありません。
そのため、入居者自身が手続きを行えない場合には、保証人が入居者に代わって判断や手続きを行う必要があるのです。
3:緊急時の連絡窓口としての役割
入居者に怪我や病気などの変化があった場合には、外部に連絡するための窓口が必要です。
老人ホームの入居者は高齢であるため、緊急の連絡が必要になる機会は少なくありません。
その場合、保証人は、緊急時の連絡窓口としての役割も担います。
4:入居者が亡くなったときの引き取りと退去手続きを行う役割
入居者が亡くなると、遺体の引き取りや退去手続きが必要となります。保証人は、引き取りと退去手続きを行う役割を担い、荷物の引き取りや費用の精算などを行います。
保証人になるための条件を紹介
保証人になるための条件は、入居する老人ホームによって異なりますが、概ね以下の3点が条件となります。
原則として親族であること
資産や収入状況など支払能力に問題がないこと
高齢ではないこと
いずれの条件も、入居者の保証人としての役割を果たせるかを判断するための条件と言えるでしょう。それぞれの条件を具体的に解説します。
1:原則として親族であること
保証人は、重い責任を背負うものであるため、保証人は入居者の親族であることを条件とする老人ホームが多いです。
そもそも、知人や友人では、治療方針の決定や入院手続きを行う権限がなく、保証人としての役割を果たせない場合もあります。
ただ、おひとりさまも多くなっている現代では、保証会社など親族以外でも保証人としての責任を果たせる場合には、親族以外の保証人を認める老人ホームも増えています。
2:資産や収入状況など支払能力に問題がないこと
保証人には、入居者に代わって費用を支払う役割があるため、保証人自身の支払能力に問題がないことは当然の前提となります。
入居手続きの際には、保証人の源泉徴収票など資産や収入状況を証明する資料の提出を求められるケースがほとんどです。
3:高齢ではないこと
保証人は、高齢な入居者が抱えるリスクを負担するものです。
保証人が高齢の場合、保証人自身が判断能力を失ったり、病気になったりして、保証人としての責任を果たせなくなる可能性があります。
そのため、高齢者は保証人として認めない老人ホームが殆どです。
※年齢制限は老人ホーム毎に異なりますが、一般的に70歳以上は保証人として認められません。
老人ホーム入居時に保証人がいない場合の対処方法を紹介
老人ホーム入居時に保証人がいない場合の対処方法を紹介します。おひとりさまや親族と疎遠な高齢者が多い現代では、保証人を見つけるのも簡単ではありません。
保証人を見つけられず老人ホームに入居できないという事態を防ぐためには、複数の対処方法を知っておくことが重要です。ここでは、保証人がいない場合の対処方法を3つ紹介します。
1:保証会社を利用する
保証会社は保証人が見つからない場合に、一定の費用を支払うことで保証人としての役割を代行してくれる会社です。保証会社が提供するサービスは会社ごとに様々で、生活支援や財産管理などのサービスを提供している会社もあります。
保証会社を利用するには費用も必要ですが、保証人が見つけられない人でも老人ホームに入居することができます。入居後もサポートを受けられるため、入居後の老人ホームでの生活も安心です。
2:成年後見人を保証人にできる老人ホームに入居する
老人ホームによっては、成年後見人を保証人として認めている施設もあります。
成年後見人とは、判断能力が低下した本人に代わって、財産の管理や身の回りの手続きを行う人のことです。
成年後見人は、本人に代わって入院手続きを行ったり、管理している財産の中から老人ホームの費用を支払ったりできるため、保証人の役割の一部を担うことができます。
ただし、入居者の治療方針の決定など保証人としての役割を全て担うことはできないため、全ての老人ホームで保証人として認められるわけではありません。
3保証人がいなくても入居できる老人ホームに入居する
老人ホームの中には、保証人を不要としている施設もあります。保証人が見つからない場合、保証人不要の老人ホームに入居するのが最も簡単な方法です。
ただし、保証人不要の老人ホームは、数も少ないため、入居する老人ホームの選択肢は限られてしまうでしょう。
老人ホーム入居時に保証人がいないことでお困りの方へ
超高齢化社会へと突入し、おひとりさまの数も増えている日本ですが、一般的に老人ホームでは入居時に保証人がいなければ入居できません。また、重い責任を担う保証人を見つけるのは簡単ではありません。
そのため、老人ホームの入居時の保証人の問題でお困りの方は、一般社団法人 終活協議会の心託サービスを検討されてはいかがでしょうか。
心託サービスでは、老人ホーム入居時の証人は勿論、手続き代行や入居後の生活サポートもお引き受けしています。
また、心託サービスでは老人ホーム入居の対応だけではなく、入院が必要となった際の付き添いや保証人代行、買い物同行、緊急時の対応など「将来不安に思うこと」のサポート体制も万全です。
「終活を始めたいが何から手をつけたら良いのか分からない」とお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
監修
菊田あや子終活協議会理事下関市出身、日本大学芸術学部放送学科卒業。
在学中にラジオでプロデビューしワイドショーリポーターで全国を飛び回る。90年代のグルメブーム以降、「日本一食べている女性リポーター」となりグルメ・温泉・旅番組で、持ち前の明るいキャラクターで活躍。
近年は「食育」「介護」等の内容で全国に講演活動中。
2020年最愛の母を94歳で看取り、一般社団法人終活協議会と出会い理事に就任。
還暦のおひとり様であり終活の必要性を広く発信中。