「混合介護」を“使い倒す新しい介護テク”を全公開⇒⇒後編

テーマ・買い物代行、外出の付き添い、巡回検診、物販…

「混合介護」って、どういうもの…?

豊島区のモデル事業が始まった同時期の2018年9月、厚生労働省から「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」(老推発0928第1号等)という通知が出された。

ここで提示されたのが、混合介護の認可基準を明確にした新ルールである。

これによると、「①介護保険サービスと保険外サービスを同時一体的に提供するこ」「②特定の介護職員による介護サービスを受けるための指名料

「③繁忙期・繁忙時間帯に介護サービスを受けるための時間指定料として利用者の自費負担による上乗せ料金を徴収すること」については、利用者以外の意向でサービス提供が判断される可能性や費用負担が可能な利用者にサービスが偏重するおそれがあるといった理由から「認めない」とされる。

ただし、一定の基準を満たせば保険外サービスを介護保険サービスと同時に提供できるとして、具体的な取り扱いを明記するなど、一部が緩和された形である。

例えば、デイサービス(通所介護)を利用する際、これまでは、理美容や緊急時にセンターに併設した医療機関の受診しか認められていなかったものが、買い物代行や外出の付き添い、巡回検診、物販といった保険外サービスが併用できるようになっています。

混合介護の規制緩和などについては、引き続き、保険外サービス活用推進に関する調査研究事業などで検討が重ねられているものの、各自治体によって混合介護の運用やルール、体制整備に差が生じていることも指摘されている。

お住まいの地域の現状がどうなっているか、確認しておくと良いだろう。

参考資料

https://www.mhlw.go.jp/web/t_docdataId=00tc3681&dataType=1&pageNo=1

「混合介護」のメリット・デメリットは?

このように、規制緩和が少しずつ進む「混合介護」だが、メリットだけでなくデメリットもある。

おもに次のようなものが挙げられる。

<メリット>
・利用者や事業者の利便性が向上する
・利用者のQOL(生活の質)を維持・向上させる
・利用者の家族(介護者)の負担が軽減できる
・介護事業者の参入が増え、介護サービスの質が向上する
・事業者の収益増加が見込める

<デメリット>
・高額な費用負担が発生する可能性がある
・低所得者が十分なサービスを受けられない
・事業者が利用者に法外な料金のサービスを迫られる(認知症高齢者など)
・利用者がどの事業者やサービスを利用すればよいかわかりにくい
・過剰なサービスの利用で高齢者の自立を阻害するおそれがある

気をつけるべき点

メリットについては、利用者だけでなく、家族の負担が軽減される点が大きい。

介護保険サービスにも、洗濯や調理、掃除といった生活支援は含まれているが、あくまでも対象は利用者本人のみ。

家族の分までは対象外。それに、ペットのお世話や窓ふき、家の周りの草むしりなど、日常生活の援助に該当しないとみなされる家事も介護保険サービスの対象外だ。

とにかく、介護保険にはさまざまな制約があり、それに囚われない保険外サービスを利用することで、本人や家族の負担が軽減でき、QOLの向上・維持が期待できる。

一方、デメリットについては、やはり費用面に関することが多い。

また、事業者が自由に価格設定できる保険外サービスは、利用者が高齢者だけに、法外かつ不本意な内容・価格で契約してしまう危険性も指摘されている。

認知症高齢者など、意思能力が低下した利用者に対して、どのような形で保険外サービスであることを認識してもらうのかも難しい。

地域によって「サービス格差」も…?

混合介護の地域差だけでなく、保険外サービスについての情報の質と量など、ケアマネジャーによってもサービスに格差が出てくる可能性もある。

後編記事『介護で「損しない」…! 「保険外サービス」の”めちゃお得な使い方”を全公開!』では、混合介護のメリットをどうやって享受するべきなのか、その考え方と利用方法について徹底的に迫っていこう。

介護タクシー、家事代行もOK…! 新しい介護「混合介護」を“使い倒すテク”を全公開! https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94246より引用しています。

次回から具体的な⇒人生の終活に関する記事はこちらをご覧ください。

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