ウィズコロナで「ネットを活用したオンラインお墓参り?」

テーマ・ウィズコロナの中「ネットを活用オンラインお墓参り」

前回は、お墓参り代行サービスというのを紹介しました。

縁者の代わりに業者の担当者がお墓を訪れ、掃除をしたりお供え物をしたりして礼拝をし、報告の写真もメールで送ってくれるというものでした。

それをさらに進めたような形のオンラインお墓参りというサービスも登場しています。

これは、無縁墓などのお墓をめぐる問題の改善に役立つ可能性も秘めているように思われます。そこで今回は、オンラインお墓参りについて紹介します。

さらにもっと進んだVRお墓参りサービスというものもあり、そちらにも触れてみたいと思います。

ポイント①コロナ禍によって広がった

お墓参り代行サービスは、仕事や遠隔地、高齢、病気など、さまざまな理由でお墓参りができない人のために、業者が代わりにやってくれるというものです。

これは以前から普及が進んでいました。

しかし、コロナ禍によって、さらに発展したサービスが登場しました。

それがオンラインお墓参りです。それ自体は数年前には存在していたようですが、コロナ禍の外出自粛などでお墓参りに行けない人が増えたのをきっかけに、急激な広がりを見せました。

コロナ禍によって普及したという意味では、お墓参り代行サービスとは少し毛色が違うようです。

ポイント②⇒お墓業者の代行サービスをネットで中継

実際には、お墓参り代行サービスと同じように、業者の担当者がお墓を訪れ、掃除や礼拝などを行います。

一番のメリットは、その様子をそれをネットで中継する点です。

代行サービスを依頼したお客様はそれを自宅などで見ることができます。

お墓を訪問した担当者は「今日はいい天気、お墓参り日和ですね」とか、

今から墓石を洗います」とか、「雑草が生えているので抜きます」などと実況します。

そして、お花を手向け、お線香を上げ、手を合わせます。

見ている人もいっしょに画面に向かって手を合わせます

コロナ禍によってリモートワークやリモート葬儀などというものが注目されています。

それにならえばリモートお墓参りといってもいいでしょう。

ポイント③⇒現場の臨場感が共有できないのがデメリット

生きている者の都合で実際にお墓へ行かず、他人に頼んでお墓参りをして不思議ではありません。

また、幾つかのデメリットもあります。

デメリット①⇒亡くなった人に思いを馳せることはネットを介してもできますが、墓前でご先祖様と空気を共有することができません。

デメリット②⇒墓前での親類縁者の交流もできなくなります。

自分たちはそれをモニターで見るというわけで、これはご先祖様に失礼ではないか、と感じる人がいても不思議ではあります。

※沖縄でいえば(シーミー清明祭)をオンラインでやるようなものです。

みんなで集まって業者のお墓参り映像を見ながら宴会をするというのも可能でしょうが、いまひとつ盛り上がりには欠けるかもしれません。

ポイント④⇒墓参りをしないで放置するのが?一番の問題

デメリットもあるので、「オンライン墓参りサービスを利用するから、現実の墓参りはする必要がない」という短絡的な発想はしない方がよさそうです。

病気などの理由がないのに、単にわずらわしいから行かない、ということになると本末転倒です。

お墓参り代行サービス同様、あくまで実際にお墓に行けない場合の代替手段ととらえるべきでしょう。

しかし、実際に行けないからといって、お墓を放っておくよりははるかに良心的といっていいでしょう。

このサービスがもっと普及すれば、無縁墓の問題の改善にも役立つかも知れません。

ポイント⑤⇒現実のお墓が存在しないVRお墓参り

実は世界的に見れば、もっと進んだオンライン墓参りサービスがあります。

これは、そもそも現実のお墓を建てず、ネット上にお墓を造ってお参りするという、いわば仮想現実(VR)お墓参りとでもいえるサービスです。

1995年ごろにはアメリカでこのようなサイトが誕生し、近年では1億人が訪れるようなサイトも出現しているそうです。

2000年ごろには日本でも同様なサービスが登場したほか、2008年には中国でも類似のサイトができました。

そこにはもはや墓石はもちろん、遺灰も遺骨も存在しません。

仮想現実のお墓があるだけで、故人をしのぶ物的なよすがは、ないといっていいでしょう。

この流れで行くと、トートーメー(仏壇)もネットの中に存在するという状況も生まれるかも知れません。

こうしたネット上のお墓は、今まで実在するお墓に慣れ親しんだ私たちにとっては、非常に不思議な存在です。

お墓参り代行サービスやオンラインお墓参りですら抵抗があるのに、VRお墓などは理解に苦しむという人がいても当然です。

なんらかの事情で、お墓を建てたくても建てられない人や、建てても無縁墓化が目に見えているなどという場合はVRお墓もありかも知れません。

その意味では、お墓問題の好転に役立つ可能性はあるといえます。

★今回の学びのまとめ

コロナ禍によってオンラインお墓参りが広がりを見せています。

このサービスを利用すれば、現地へ行かなくても、お墓の様子を見ながら手を合わせることができます。

さらに進んだVRお墓では、もはや現実のお墓は存在せず、ネット上に構築したお墓に参ることになります。

さすがに違和感がありますが、お墓を建てられない人などにとっては、ひとつの解決策になる可能性はあります。

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