テーマは「あなたの親族がもしお墓を建立するとした時の工程について」です。
あなたの親族がお墓を建立しよう思い立った時にまず何をすべきか?
必要な手続きは何があるのか?良い業者の選び方とは?など疑問や壁に当たることがあります。
それらの壁、いわゆる問題はお墓の建設を考えた時に直面するものです。
そこで今回は失敗しないためのお墓づくりの手順、懸念されるトラブルや回避の方法などをお話しします。
これからお墓の建設を考えている方、今でなくても将来的に建設を視野に入れている方に少しでも予備知識として読んでいただけたら幸いです。
目次
お墓の建設の手順
第1ステップ⇒建立する為の土地選びについて
お墓というのは物件と似ています。土地があってその上に建物、つまり墓石を建てていきます。そこでまずは土地に焦点を当てて考えましょう。
現在沖縄県内のお墓業界でも大きな問題になっているのは無縁墓の問題です。
各市町村がお墓の所有者やその親族にあたる人物を探して、お墓の状態や今後の対応などを問い合わせる事もあります。
しかしその中で、関係者の見つからないお墓である無縁墓も一定数見つかります。
悲しい事ではありますが、その根本にある問題として「お墓をみる人がいなくなってしまった」や「遠方に移住していて対応できない」などの解決の難しい事情があるのです。
人間が生きていくなかで、置かれている環境が変わる事もあるでしょう。
例えばお墓の存在は認知しているものの自身や家族の高齢化や身体の事情、遠方であるなどの理由からほったらかしになってしまっている方も多くいます。先の事はわからないので対策にも限界はあるのですが、できる範囲の事で言えば「アクセスを考慮した土地選び」です。
現在住んでいるところからの利便性や駐車スペースの有無や周りの環境などを考慮するのはもちろんの事、将来的なビジョンも考えておきましょう。
第2ステップ⇒墓石選びについて
土地が決まれば次にその上に建つ建物の事を考えましょう。
建物、つまり墓石の事です。現代では個性を重視した墓石が建てられています。
その一方で、昔ながらのスタンダードなデザインを好まれる方が多くいます。
さまざまな地域性もありますが、沖縄でいえば「破風墓」や「亀甲墓」が選ばれています。
最近は、破風墓の造りで屋根部分が多くとられており、お墓参りの際に広い範囲で日陰ができるよう設計されたお墓や石材でできたベンチや椅子をあらかじめ造っておくお墓もあります。
限られた予算でお墓を建てる場合、省スペースの観点から内地墓タイプやコンパクトなデザインが好まれる傾向にあります。その背景には、核家族化の増加等があります。
各家庭によって決まりがある場合を除いて自由にお墓の選択ができる時代になっていますので、じっくり考えて自身のオリジナルの墓石やデザインを取り入れてみるのも良いでしょう。
第3ステップ⇒駐車スペースについて
地域によってさまざまですが、沖縄の一般的なお宅では年に一度清明の時期に行われる清明祭(シーミー)でお墓に訪れ、家族親戚水入らずでごちそうを囲みます。
その光景は本土の人が見ればピクニックのようなので違和感を感じずにはいられないものでしょう。
毎年の事なのですが、この時期の渋滞は悩みの種でもあります。
お墓の付近に住んでいない人が一気に訪れるので各地で渋滞が発生します。
高速道路も例外ではなく、沖縄本島北部付近の高速道路では毎年早い時期から渋滞情報が表示され、渋滞緩和を促しています。
そんな渋滞の列もシーミーの時期ならではの風物詩になってしまっています。
せっかくのお墓参りに渋滞のイライラで出鼻をくじかれてしまうのは避けたいですね。
そこでお墓を建てる前に考えていただきたいのは立地と駐車スペースの有無です。
お墓の多い地域になるとシーミーの時期はそこら中に車が駐車されており、場合によっては近隣住民の迷惑になる事もあります。
お墓参りに行く方にすれば「年に一度だし大目にみてよ」という感覚かもしれませんが、毎日穏やかに暮らしたい近隣住民にとっては関係ありません。
「お互いさま」という感覚は双方の利害が一致する際、つまり双方の思いやりがあってこそ成立するものです。道幅の狭い道路での路上駐車や迷惑を顧みない運転マナーは良くないですね。
皆であつまる和やかなお墓参りですので、お墓を建てる段階で駐車場、もしくは近隣住民の生活や他の車の通行の妨げにならない駐車スペースの確保ができるかどうか確認しましょう。
第4ステップ⇒お墓の建設に必要な手続き
お墓を建てる土地が決まれば、いよいよ施工、着手に向けての手続き。
とはいうものの…お墓をご自身の手で一から造れる人はなかなかいませんね。
確固たるこだわりをお持ちの方でしたらあり得る話ですが、現実的に考えると難しいものです。
まずお墓業者に依頼する必要があります。
お墓業者の方と相談するなかで墓石の材質、石材の種類やお墓のタイプ、希望があればデザインと字彫や納期を担当者に伝えて見積書をもらいましょう。
気を付けていただきたいのは、墓石の購入や墓地の使用権を取得する際には法律の専門家である行政書士や司法書士が関わってきます。書類に不備があると手続きに時間がかかり、その分希望する納期に間に合わなくなってしまいます。
第5ステップ⇒意見の食い違いから問題はでてくるもの
問題が起きる原因としてその根っこにあるのは、ほんの少しの意見の食い違いが多いように感じます。「思っていたものと違う…」や「そんなつもりじゃないのに…」などの積み重ねが問題を生み出しています。
起きてしまった問題を解決するのは、お客様やお墓業者にとっても骨の折れる事です。
また、決して安くない買い物だからこそ冷静さを失ってしまうものです。
だからこそ問題が起きる前に対策を打っておくことが大事なのです。
ご自身の大切なお墓のことですので、お客様自身「~してくれるだろう」という考えをなしにして「~かもしれない、この場合は~しよう」といった考えでいた方がトラブルを未然に防ぐことができ、起きてしまった問題も最小で済みます。
お客様のご家族や施工業者の間で起こりうるお墓建立までの問題(トラブル)
第6ステップ⇒業者との信頼を深めましょう
お墓を頻繁に建てている人はいませんね。お墓を建てるということはおそらく一生に一度の経験でしょう。なので、分からない事が多く出てきても不思議ではありません。
事前にどんなにリサーチをしても疑問が生じるのは仕様がないことなのです。
悩んだときに舵取りになってくれるのはお墓業者さんです。
ご自身がお墓を建てようと思い立ち、何もわからない状態で相談に乗ってくれた業者さんに今一度聞いてみましょう。
良いお墓業者は契約前にはもちろんの事、契約後または完成後まで手厚くフォローしてくれます。お墓は契約や施工などの工程をすべてクリアし、完成するまでに約半年かかると言われています。時間が必要な上に安い買い物でもありません。
契約の時もそうですが、分からない事があればその都度その段階で聞きましょう。
ご自身の疑問に真剣に答えてくれたり、心配ごとなどの相談に乗ってもらえるととてもありがたいものですね。
一時的な付き合いではなく、半年のほどの長い付き合いになるかと思いますので、遠慮する事なくお話ししましょう。一方で依頼を受ける側の業者さんもご理解をいただいてているのか?納得をしているのだろうか?と判断に困るときもあります。
そういった場合、これまでいかにコミュニケーションをとっていたかがカギになってきます。
事務的な書面上のやり取りや専門的な工事の話も多々ありますが、その根本にあるのは人との繋がりや信頼です。業者さんは真摯にお客様に向き合い、専門的な話でも分かりやすく説明できるよう努める義務と責任があるのです。
実際にお墓を建設した方の体験談を参考にしましょう
実際にお墓を建設した方に多かった意見は以下の通りです。
不安①⇒分からない事だらけで正直不安な気持ちがあった
分からない事が多いのは当たり前の事です。頻繁にある訳ではありませんしね…自身の意見を伝えることができる、さらに業者さんの意見を素直に聞くことができれば不安も疑問も解消できるでしょう。
不安②⇒良い業者に当たるとは限らないので契約は慎重になった
安い買い物ではないので、慎重になる気持ちは痛いほどわかります。契約するという事はそれほど重要な事です。だからこそ事前のリサーチや見積もりの比較が大切なのです。
不安解消の方法⇒見積もりを2件以上出してもらうようにした
実は、私どもみくにでも見積もりを比較してもらう事を推奨しております。お客様の希望に沿ったかたちにした場合の金額を把握していただきたいのです。
お客様自身で設定した予算との比較、相場の把握や提供されるサービスの内容などを比較する材料として見積もりや業者のパンフレットなどがあります。さまざまな情報を活用してみましょう。
★業者の選択に迷った時に知人やネットの口コミを頼りにした
大きな決定をする際には意固地にならず周りの意見に耳を傾ける事も重要です。
それがご自身よりも先にお墓を建てた方の意見だとより参考になるかと思います。
今ご自身が直面している問題を先に経験し、解決している人の話は説得力があり、なんとも心強いものですね。
みくにのお客様の声
みくにでは、お墓を購入されたお客様のレビューや動画を公開しています。
お墓の建立をご検討中の方は、お墓選びの参考にして頂ければ幸いです。
まとめ
私共みくには、お墓を建てたいと考えるお客様との出会いを大切にし、お墓づくりを通して信頼と安心をご提供できたら良いと思っております。
契約から着工、完成に至る期間は図々しい考えかと思いますがお客様とタッグを組んで「良いお墓」をともに作り上げているチームであると考えております。
だからこそ心配事や疑問といった壁をともに打破したり、意見の交換や完成時の達成感もすべて共有していきたいのです。
暑苦しいお話しになってしまったかもしれませんが、人との繋がりを大切に思うからこそのお話しということでご容赦ください。長々と多くを語ってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は私共みくににも深く関係しているお墓のスペシャリストであるお墓ディレクターについて紹介します。
あまり知られていない「お墓ディレクター」、何をする人なのか?どのような資格なのか?日本でどれほどの人が取得しているのか?などさまざまな角度からお話しして参りますのでお楽しみに…。
それでは、また次回元気にお会いしましょう。
一般社団法人 日本石材産業協会が認定する資格で、お墓に関する幅広い知識と教養を兼ね備えた人です。お墓ディレクター検定試験に合格することで取得することが出来ます。